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2.2.4 被害想定算定単位区分(2次ポリゴン)
ここでは地震動の算定および被害想定を行う際の基礎単位となる区分(2次ポリゴン)の設定方法について解説を行う。
地震動の算定をおこなうときには地形分類データや地盤データを基に計算をおこなうので、地形分類ポリゴン単位または地盤種類ポリゴン単位に結果が得られることになる。一方で、被害想定の対象となる人口や世帯数のデータは行政区分ポリゴン単位で集計されている。
種類の異なるポリゴンが1対1で対応するのならば問題はないが、実際には全てのポリゴンが一致することはない。また、1つのポリゴンに対応する別の区分のポリゴンが2つあるのでは算定は複雑なものとなる。例えば、1つの行政地区の中に2つの地盤種があれば地震動を2つ算定し、さらに、どちらを代表値とするか判断せねばならない。逆に、地盤種から見れば何らかの基準をもって1つしかない行政地区のデータを分けねばならない。ここで必要とされるのは、それぞれのポリゴン区分がもつ属性データが1対1で保有できるような新たなポリゴンの区分である。
これまでに地形分類データと地盤データ、行政区データの3つのポリゴンデータについて解説を行った。この3つのポリゴン区分のいずれも基準とせずに、単純に重ね合わせると、ポリゴン区分が別のポリゴン区分によって細分化されることがわかる。この様に、ポリゴン区分に関係なく線で囲まれて作られる最小単位の面を1単位として扱えば、全ての属性データを1対1で処理することが可能である。この区分に方法によって構成されるポリゴンを2次ポリゴンとする。2次ポリゴンを作成する模式図を図2−7に示している。また図2−8は本システムで使用した地盤と地形分類のポリゴン境界図、図2−9は同じく行政区分境界図、そして図2−10はこれらを重ねて作成した2次ポリゴン境界図である。
地震動の算定と被害想定では、2次ポリゴンを原単位として設定し、2次ポリゴン内は均質な地域として取り扱うこととする。何れの1次ポリゴンも2次ポリゴン作成にあたり分割される可能性はあるので、ここに分割するときの基準を決めておく必要がある。
地形分類と地盤種類は定性的な属性を表すポリゴンであるため、これを分割しても問題はない。
一方、行政区分のポリゴンが持つ人口や世帯数は定量的な属性であるため、例えば1つの行政区内に複数の地形分類項目や地盤種類が存在する場合には何らかの方法で分ける必要がある。本調査研究では、行政区内に占める分類項目の面積比で案分することとしている。ただし、地形分類項目に新たに追加した河川と山

 

 

 

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