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第1章調査研究の目的と内容

1.1 調査研究の目的

地域防災計画の策定にあたっては、地域において発生する恐れのある災害を対象とし、起こりうる被害の規模を把握することが重要となる。こうした作業は一般に想定する災害の防災アセスメントの実施や防災カルテの作成、あるいは被害想定をおこなうことで対処されている。
被害想定と一概にいっても、対象とする災害やその影響範囲、対処の仕方により、想定をおこなう主体は異なる。例えば、噴火や津波の被害想定など市町村単位でおこなうものではなく、少なくとも県レベルでの対応が必要であるし、洪水が頻繁に起こる地域では市町村単位で被害想定をおこなうこともある。
本調査研究は地震時の簡易被害想定をおこない地域防災計画の策定に役立てることを目的とするものである。県レベルでの地震時被害想定は一般におこなわれているが、こうした想定は県全体の被害想定であるから、市町村で必要とする被害想定結果とは主旨が異なっている。市町村が必要とする被害想定は、市町村内の地域防災計画に供することのできる詳細なものでなくてはならない。
一方で、都道府県がおこなう被害想定と同様の技術を市町村が用いることは、多くの場合は財政的に困難を伴い、市町村が被害想定を実施する場合には、より安価な簡易被害想定をおこなう方が現実的である。
以上の背景から、本調査研究では比較的安価で行え、市町村の地域防災計画に反映できるような微地形に対応した地震時被害想定システムの開発を目的とした。

1.2 調査研究の内容

本調査研究は、既存のデータ活用しパソコン上で作動が可能なアプリケーションソフトの開発を前提として、被害想定理論の検討、ソフト化する際のシステムおよびデータベース管理の機能の検討、およびアプリケーションソフトの作成をおこなう。

 

 

 

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