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第3章 むすび

 

3.1 調査研究の成果

本調査研究により、「地域防災計画検索システム」、「地域防災計画策定支援システム」及び「災害応急対策実効性検証システム」の3つのサブシステムによって構成される「災害応急対策支援システム」が作成・整備され、これらを市町村防災担当者の防災業務の各局面で適切に運用することによって、その業務を適切に支援できるようになった。以下に各サブシステムごとの成果を示す。

 

3.1.1 地域防災計画検索システム

本システムの開発において、全国市町村の地域防災計画の策定事例のうち、優良と思われる地域防災計画書の目次見出しを中心にデータを入力した。あわせて、当該計画策定市町村の人口・面積、災害危険、過去の防災活動履歴、計画書の登録番号や編成形態等のデータについても逐次データ入力を行った。
このことにより、市田丁村が地域防災計画を策定する際、人口・面積、災害危険等の地域特性等が似通った類似市町村の計画事例を参考にしたいとき、いつでもその地域防災計画のリトス及び目次構成等の資料を参照できるようになった。このような地域防災計画の計画項目の目次構成事例は、計画策定の第一段階で検討することになる基本的データであり、これらのデータを容易に検索できるようになったことで市町村の地域防災計画の策定作業を支援できるようになった。

 

3.1.2 地域防災計画策定支援システム

本システムにより、当該市町村の地域防災計画を策定するにあたって、その実際の業務の流れに沿った作業のステップをふみながら、類似団体の優良計画事例や標準的な計画事例(プロトタイプ)を参照しづつ、最適な目次構成や個別計画の文案を自動的に出力させることによって新規計画書の素案を容易に作成できるようになり、また、この結果を必要に応じて自由に修正できるため、より実情に見合った地域防災計画の策定に資することができるようになった。

 

3.1.3 災害応急対策実効性検証システム

本システムを活用することにより、当該市町村の地域防災計画の災害応急対策計画をより実効性の高い計画とするための見直し作業を行うにあたって、問題がある箇所や修正を施すべき箇所が容易に把握できるようになり、実情に合った計画の見直し作業に資することができるようになった。また、本システムに組み込んだ災害応急対策計画実効性チェックシートや応急対策用シナリオ(ロールブレイングシート)を活用することにより、さらに実効性の高い計画とすることが可能となった。

 

 

 

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