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周波数帯を利用するとすると、他から干渉されない鉄道専用の周波数割当を受けられるよう関係官庁に働きかける必要がある。

 

5.2.3 装置の安全性
(1)本事業で開発した試作装置は、集中化した閉そく機能のアルゴリズムを確認するために、地上装置や車載装置は主に汎用機器で構成した。
実用化に際しては、これらを既に電子連動などで実用化されているフェイルセイフな処理装置を活用し、実用化機器を開発する必要がある。
フェイルセイフ形処理装置とは、原則的に2個以上の処理機能の処理結果を比較照合し、一致している場合にのみ、制御する多重処理方式で、比較照合回路にもフェイルセイフを配慮したものである。
フェイルセイフ形の処理装置としては、我が国では次のシステムが主として実用されている。
?@ 電子閉そく用の位相差式のフェイルセイフマイコン
?A 電子連動I形用バス同期式三重系フェイルセイフマイコン
?B 電子連動?U形、電子踏切など同期式二重系フェイルセイフマイコンまた、海外では、つぎのシステムが使用されている。
?C エリクソン電子連動用二重プログラム方式
?D ウェステイングハウス電子連動用VPI方式
本単線閉そくシステムへこれらのシステムを適用するとすれば、ソフトウェアを軽く構成できる?Bのバス同期式二重系フェイルセイフマイコンを使用するのが順当であるが、廉価なシステムとしての要求事項から、ハードウェアが軽い?C、?Dのシステムも引き続き検討する必要がある。
(2) 本開発の車上と地上間の伝送データは、信頼性を向上させるため、冗長符号方式としてパリティチェック、サムチェック、2連送等により誤り検出を行っている。
実用化では、前項のフェイルセイフ形の処理装置を送信側と受信側に設け、すでに鉄道装置で使用し評価されているCRC(Cyclic Redunducy Check)などを誤り検出に使用し、フェイルセイフな情報伝送装置を構築する必要がある。

 

5.2.4 誤出発防止装置
出発指示が無い場合、主幹制御器の制御回路を遮断する方式の運用に際しての「連・非スイッチ」の鎖錠、扱い等の取り扱いを決める必要がある。

 

 

 

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