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ており、事業の振り分け(県単独事業の部分と三セクと民間)も決まっていて、後はどんなデザインのものをどう建てて、出資や出展をどうするか程度しか意見を述べれる範囲がない、全くの事業の為の事業としかいいようのないものであった。
まちは誰のためにあるのか。そこに住む人達にとって住み良い所でなくてはならないだろう。そうであればやはりそこの住民自身が真剣に考え行動し、まちを守り創っていかなくてはまちは生きてこないし、うるおいを感じさせるまちにはならない。そこに住む、働く人達の生活がまちそのものの魅力とならなくては時代に取り残された映画の張りぼてのセットと化してしまうのではないだろうか。
1996年、日本ナショナルトラストによる「観光資源保護調査」が実施されまちづくり委員会もお手伝いさせてもらった。意外に多くの戦前からの建造物が存在しているのに委員会メンバーも驚いた。
地蔵会のメンバーはみなと地区の辻辻にあった数多くのお地蔵様の復興を目指し石造彫刻に取り組み始めた。JA宮崎経済連のご厚意により、港の空倉庫をアトリエとし、外部より講師をお願いして、月1回ノミを振るっている。
まちづくり委員会は協同組合組織を結成し、みなと地区のグランドデザインと地域運営ルールを作り、別途に不動産取得会社とその商業的運営の会社を立ち上げようとしている。
我々は何をしなければならないのか。何が出来るのか。今日までの歴史の尊さ、先代の子孫達への愛情をどう受け止め行動していくのか。これから油津みなと地区住民の真価が問われる。

 

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写真334 まちづくり委員会 灯ろう流し風景

 

 

 

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