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油津の町並みと堀川運河

 事業名 観光資源の調査及び保護思想の普及高揚
 団体名 日本観光振興協会 注目度注目度5


 

第3節 快適な生活を求めて

(1)今後の住生活や住宅改造について
今後の住生活や住宅の改造計画についての意見は、表19のようにまとめられる。最も印象的であるのは、「私達の代まではここにいますが、それ以後のことは分からない。」という回答である。「子家族が宮崎に呼んでくれたが、やはり先祖伝来の家に住みたい。」「この家を引き継ぐ人はいない。子も女の子だし…。」「これからのことは何も考えない。子も外で働いているし、ここは私達の代で終わりでしょう。」「私達はこの家に住む。息子が戻るとも思うが、ここは狭くて立替えも難しい。」といった内容である。現在の社会状況の中で、子の仕事の関係やその他の様々な事情から、老親や家のために子が戻ることは、やはりそれほど簡単なことではないだろう。とはいえ、先のことはともかく、今の自分たちは、住み慣れた油津の地で、これまで通りに生活していきたいという願いがそこにあるように思われる。一方、改造や転居等を考えている人も、「こじんまりした家に移るとか、高齢者向きに改造することも考えるが、この家を残してもおきたい。」「この家を出ていくと思うが、もったいないとも思う。」というように、住宅への愛着も強く、揺れる心が垣間みられた。
住宅の改造計画については、「今のところ、具体的な増改築の計画はない。」という回答が最も多い。増改築を考えている住戸でも、緊急の計画はなく、改造を希望する箇所の集中性もみられない。一方、「一つさわると、この家の良さの何もかもがなくなるように思う。」という意見や、「油津の町並みの伝統に合わせて、店を昔風に改造したい」という意見もあった。

 

表19 今後の住生活や住宅改造計画

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(2)油津の町づくりについて
油津の住文化や町づくりについては、「古い家や町並みは、残せるものなら、残していくといいと思います。長く置いていて危ないものだったらいけないけれど…。」、「油津の町づくりは、堀川をきれいにすることから…。小さい時泳いだ時のような美しさに…。」、「昔の路地のような、港町の人間くささを活かしていけたら…、川や海に直結するイメージがあるといいが…。」という、町並みや堀川や港町の特徴を活かした町づくりの提案。また、「この辺りは年寄りばかりで小学生が1人もいない。子供の声がしない。」「年々人が通らなくなって、今が一番寂れてきている。」「油津の人口が減らないようにと思う。」という、町の人口や活気の問題。「今は人との挨拶とかがなくなった。」等のコミュニティーの問題等の意見があがった。油津の町の文化や伝統についての思い、今後の町づくりへの思いが込められている。

 

(3)快適な生活を求めて
住まい方調査を通して、様々な意見を聴かせていただいたことを手がかりに、今後も油津の町の中で、快適に、風土や文化に根ざして豊かに暮らしていく、そんな町づくりへの課題を模索すると、安全・高齢化・地域文化ということがキーワードとなるのではないかと考えられる。
安全性は町づくりの最も大きな要件と考えられる。油津の町において、特に、台風とそれに伴う災害への対策がいかに重要であるかを、住まい方調査から実感として感じさせられた。災害を招かない・災害に強い居住環境の整備とともに、地域の防災システムづくりの課題がある。そこでは、地域の親密なコミュニティーをどのように活かしていくかということも大きな要素となるだろう。安全性の問題は、生命の問題に直接かかわり、また、緊急性を要することから、高齢化の進行によって、その重要性がますます高まってきている。
高齢化対策も非常に重要な課題である。日南市の高齢化率は、超高齢化ともいわれる20%を越えて20.6%に達し、宮崎県平均17.4%、全国平均14.5%を大きく上まわり、さらに、油津地区では24.8%に達している。また、日南市の高齢化の特徴として、単身世帯や夫婦世帯などの高齢者のみの世帯が多いことがあげられ、65歳以上の高齢者中の単身者の比率は、全国12.1%、宮崎県15.5%に対し、日南市は17.1%、油津地区ではさらに高く23.5%を占めている(いずれも1995年国勢調査の数値)。このような特徴は本調査対象者の実態とも重なっている。今回の調査でも、1日4回の歩行訓練を続けておられる

 

 

 

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