――あらすじ―― 第1幕
東ヨーロッパのある村の広場 年老いたコッペリウスは、魔法の研究に没頭し、これまでの人生を送ってきた。研究は時折成果があがりそうに見えるが、失望することが多い。そんな彼の野望は、自分の製作した機械仕掛けの人形「コッペリア」に生命を吹き込み、生きた“人形”にすること。村人たちは、だれもコッペリウスが何をしているのかを知らず、彼の謎めいた家から漏れてくる爆発音や騒ぎに警戒心を抱いている。 ある日コッペリウスがコッペリアをバルコニーに置いたところ、だれもが本当の人間だと信じる。コッペリウスは大満足。ところが向かいに住む娘、スワニルダは、コッペリアが自分を無視した上、恋人のフランツに注目しているようで、内心おだやかではない。 そこへ村長がやってきて、フランツの忠誠心を麦の穂で試してみてはと提案。もし穂が音を立てて鳴れば彼の愛は本物だという。村長は、領主が村の教会に新しい鐘を贈ることを記念して領主の館で「鐘の仮面舞踏会」を開催、村人たちは全員招待されていることを告げて立ち去る。 皆が去った後、スワニルダと友人たちは翌日の祝祭のために広場を飾りつける。そして彼らは、コッペリウスの家のバルコニーにいた謎の少女を探そうとコッペリウスの家に忍び込むことにする。その時、同じことを考えていたフランツがやってくる。 (休憩) 第2幕
その夜遅く、コッペリウスの仕事場 仕事場の中で、スワニルダと友人たちはコッペリアが人形だったことを知って驚く。そこへコッペリウスが帰ってきて皆を追い出すが、スワニルダだけは物かげに身を隠す。そこへフランツがやってくる。コッペリウスは彼を捕まえ、罰すると脅す。しかし、彼はあることを思いつき、ワインに眠り薬を入れてフランツにすすめ、眠らせてしまう。 コッペリウスは魔法の本を片手にフランツの魂を抜き取り、コッペリアに吹き込もうとする。 (休憩) 第3幕
翌晩、領主の館の庭園 新しい鐘が領主から村へ正式に贈られ、それを記念して、その日に結婚を発表したフランツ、スワニルダともう一組のカップルに、領主から金貨のはいった袋が与えられる。 そこへコッペリウスが登場。スワニルダが彼の大事な人形をこわしたとカンカンに怒っている。領主はコッペリウスにも金貨の袋を与えてなだめる。 舞踏会が始まる。 「時の踊り」そして「暁」。それから鐘の使い方を示した様々な踊り(祈り、仕事、婚約、戦い、平和)が次々と披露される。 平和の踊りではスワニルダとフランツが彼等の真実の愛をあらわす。 やがて、鐘とともに皆が去っていく。ひとりその場に残されたコッペリウス。 彼ははじめて自分の魔法の力がきいたことを悟る。 ピーター・ライト
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