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年頭挨拶

 

第四管区海上保安本部長 下江 旭

 

新年明けましておめでとうございます。
(社)中部小型船安全協会の会員の皆様におかれましては、良いお年をお迎えになられたこととお慶び申し上げます。
昨年を振り返りますと、政治面においては、新選挙制度のもとでの総選挙が行われ、経済面においては、住専処理をはじめとする不良債権処理の問題が大きな論議の的となり、社会面においては、オウムによる凶悪犯罪の実行過程が法廷で次々と明らかにされるなど、何か時代の変革を予感させられる一年であったような感じがいたします。
一方、私ども海に関係する者にとりましては、一大慶事でありますが、「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う日」として七月二十日の国民の祝日「海の日」を初めて迎えることができました。この記念すべき日を中心に、三重県において第十一回海の祭典が開催され、各地での多彩なイベントを通じ、国民各層の海に関する関心を喚起するメッセージ(「めぐみ」と「ゆめ」の海へ)とともに、三重の海の素晴らしさが全国に発信されました。もちろん、第四管区海上保安本部としても、各種イベントに管区をあげて積極的に参加・支援をいたしたところであります。
こうした社会環境のなか、貴協会におかれましては、小型船舶を対象とした海難防止のための公益法人として、安全講習会の開催、海上安全指導員による現場指導・安全パトロール実施等の事業活動を通じ、海難防止、運航マナーの向上及び海事知識の普及等地道な事業に粛々として取り組まれてきました。特に海上安全指導員の活動の活発さは特筆すべきものであり、名古屋・蒲郡で行われた安全パトロール船出艦式はまことに盛大なもので、今や夏の到来をつげる風物詩として定着しており、安全で秩序ある海洋レクリエーションの普及と発展に大いに寄与されているところであります。
もちろんこの裏には、海上安全指導員の各々の旺盛なるボランティア精神と、一年を通じ、小型船舶に対する海上での安全指導、或いは出艦式で示されたような常日頃からの操船技術の維持向上があると思います。海に親しむ国民の皆さんにその存在を印象付けておられる海上安全指導員の皆様の日頃のご苦労・ご活躍に対し敬意を表するとともに、あらためて感謝申し上げます。
また、協会の運営にあたっては、財政問題をはじめ幾多の難問山積の中、役員の皆様を中心に真剣に検討され、積極的に会の前進を目指しておられる様子をうかがい、そのご努力に頭が下がる思いであります。
ところで、日本小型船舶検査機構が取りまとめた統計資料によれば、愛知、岐阜、三重の三県下においては、モーターボート、ヨット、水上オートバイ、遊漁船等のプレジャー

 

 

 

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