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(電話関係の被害)
  加入電話は、電源障害等により8ヵ所の交換施設に障害が発生し、約29万の加入者に障害が 発生したほか、家屋の倒壊、ケーブルの焼失等により約19万3千の加入電話に障害が発生した。(その他 農林水産業関係等の被害)  農地(約 1,300箇所)、ため池等の施設(約 2,800箇所)、六甲山地をはじめとした山林 (約80箇所)、漁港施設(約20箇所)、農林水産共同施設(約80箇所)など各施設において甚 大な被害を受け、その被害総額は約 900億円とみられている。

 

《被害の特徴》
 阪神・淡路第震災は、我が国における社会経済的な緒機能が高度に集積する都市を直撃した初めての直下型地震であり、人的被害も死者 6,308人、負傷者43,177人に上がる甚大な被害をもたらした。発災後における各種の応急活動を迅速且つ的確に展開する行政機関等についても庁舎等の建物自体が破壊したり、通信機能が途絶するなどの被害が生じたほか、交通機関の寸断により応急活動に必要な職員が十分に参集できなかったなど、中枢機能が自ら被災し、迅速かつ十分な応急活動が行えないものがあった。
 阪神・淡路大震災は、我が国で初めて震度7を記録し、神戸市を中心に多数の建築物が倒壊した。
 地震によるものと報告された火災は、兵庫県、大阪府、京都府及び奈良県で発生しており、地震直後から 290件を超える火災が発生し、この火災による被害は、全体で、焼損棟数約 7,500棟、焼失面積65万?u以上となった。

 

 住家等の建築物が著しい被害を受けたため、膨大な数の避難者が生じ、平成7年1月23日のピーク時には約23万人の被災者が避難所に収容された。このため、あらかじめ指定されていた避難所だけでは避難者を収容することができず学校のグランド等でテントを張って避難している避難者も数多く、兵庫県内に開設された避難所の数は、地域防災計画の中で指定を受けている非難所の2倍以上であった。

 

 応急仮設住宅の建設については、その数が過去に例を見ないほど大量であった。
 平成7年3月末までに約3万戸、同年4月末までに約4万戸が予定通り完成し、平成7年8月までには、兵庫県が避難者の悉皆調査によって把握した必要戸数48,300戸の応急仮設住宅が完成、災害救助法による避難所が解消された。個々の事情により、なお避難所に残る世帯については「待機所」として居住の場を提供し、引き続き応急仮設住宅への入居斡旋等が行われた。

 

 また、上下水道、電気、ガス、電話等のライフライン施設については、各種の機能が著しく損壊し、長期間にわたり市民生活に大きな影響を及ぼした。
 特に、水道については、神戸市、西宮市、芦屋市などのほぼ全域が断水し、2月末までに当面の仮復旧はほぼ終えたが、一方、仮復旧までに約3ケ月を要する水道施設もみられるなど、応急給水に依存しなければならない期間もかなり長い期間となった。このため、被災市町村のみによる応急給水では不足し、広域かつ迅速な支援が必要となった。

 

 

 

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