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1 地震発生後の総務庁における取り組み 及び行政機関等における各種相談窓口開設・活動状況等の概要

 

(1)地震発生直後における総務庁の取り組み

 

地震発生後、政府、地方公共団体等は直ちに被災者への救援活動を始めた。
しかし、被災者からの行政に対する要望や不平・不満の声も聞かれた。そのような状況の下で、総務庁では、行政相談業務としてどのような機能の発揮の仕方があるのかについて検討が行われた。総務庁においては、平成5年7月12日に発生した北海道南西沖地震発生後において奥尻島内で、また、平成5年8月の台風13号による集中豪雨が発生した時に鹿児島市内で、北海道管区行政監察局及び鹿児島行政監察事務所がそれぞれ特別行政相談所を開設した先例等を参考にし、今回の大震災の対応策が検討された。
(後述 6「自然災害に伴う行政相談活動事例」参照)
今回の被災状況は、相当の人的被害が生じていること、大規模なライフライン、交通網等のインフラ等の被害を伴っており、いわば大都市機能が麻痺していること、総務庁の現地出先機関である兵庫行政監察事務所(以下「兵庫事務所」という。)が入居している神戸市内の合同庁舎は、一部損壊・出火し、入居不可能な状態にあること、兵庫事務所の職員も被災していること、関係行政機関等においても同様であることが予想されること、また、通信網の被災により電話連絡もできないことなどの状況から、行政相談業務を展開するにしても、かなりの時間の経過を要するのではないか、今直ちに必要なのは、救援物資の提供等当面の生活を維持するための緊急援助であって、行政相談を実施できる状況ではないのではないかとの懸念もあった。
しかし、被災状況が報道されるに伴い、被災者と行政とをつなぐ手立てとして行政相談業務を展開することが求められているのではないかと判断され、?@できるだけ早急に、兵庫事務所において行政相談業務を開始すること、?A関係機関等の協力を得て、総合行政相談所を開設すること、?B行政相談委員の協力を得て、被災市町と共同で相談所を開設することの3つの緊急の対応策について検討が行われた。

 

平成7年1月19日(木)の政府の緊急対策本部発足と同時に、被災者から国の行政に対する相談、問い合わせ等に関する特別の行政相談を実施することが緊急対策の一環として盛り込まれた。
1月22日(日)行政相談担当の官房審議官が政府の非常災害対策本部の本部員に任命され、翌日の非常災害対策本部における打合せを終え、直ちに、行政相談課の担当官と現地

 

 

 

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