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だから皆さんボランティアをしている方も、最初の人の例のような方もいらっしゃいますが、それでしますと先程言いましたように(すごいですね、私にはやれません、物好き」ということになり、誰も来ません。本当は立派な方でも、ちゃらんぽらんの振りをしてください。あなたは、そっくりそのままでいいですという方もいらっしゃいますが、ちゃらんぽらんの振りをしてください。しかしボランティアをする時はしっかりやるのです。外で誰かを甘い言葉で誘う時には、誘い方が大事です。誘う時には胸を張って立派ではなく、ちゃらんぽらんの演技をして、誰にでも出来ると安心させて、仲間に入れたらもうこっちのものということです。
●ボランティア活動をつづける3つの条件
実はボランティアをしたいという人はとても多いです。今ボランティアで、皆さんも活動されていますが、ボランティアのなり手がいないのは多分、活動が面白くないとか、皆さんが悪いと思います。
東京の立川にケアセンター「やわらぎ」というのがあります。これは高齢者・障害者ののレベルの高い家事援助サービスの住民参加型在宅福祉サービスです。やはり有料で、1時間900円です。それに訪問看護もしており1時間1200円、今は値上がりしたかもしれませんが。同じように有償でお宅に行き、単に料理・洗濯・買い物するだけではなく、寝たきりの方の排尿・排便、つまり体を触ってサービスをしており、看護の部分までもしている団体です、そのようなサービスをしていますので、コーディネーターの方だけでも何十人もいて、ものすごい活動をしています。それが事務所を構えていますと、ほとんど毎日のように、ヘルパーをやりたい、コーディネーターをやりたいといって、どんどん人が入ってきます。これは団体の活動さえしっかりしていれば、人は集まるものです。このように、ボランティアをやりたいという人はいないわけではなくたくさんいます。ではなぜそのような人が集まらないのか、なぜボランティア活動しても続かないのだろうかということです。それについて考えていることを3つぐらい話して終わりたいと思います。
まず1つは活動が面白くなくてはいけません。ボランティアというのは決して、立派なことをしているというだけでは人は集まりません。
ボランティア活動が面白いと言いましても、単に面白おかしい、楽しいの「らく」のほうではなく、音楽の「楽」の方の楽しさがないといけないと思います。できるなら面白さの種類は、相手の方と接触をするようなタイプの、ふれあいと言いますか、心のふれあいだけではなく体のふれあいもあるような、そういう直接的な関わりが強い方がやり甲斐もあり、多分楽しいと思います。それから1回限りではなく、その活動が継続をするというようなタイプのものがより面白です。
知的障害をもっている人にスポーツを教え、トレーニングをし、一緒に出場するという“スペシャルオリンピックス”という競技会があります。これは知的障害をもった人のためのオリンピックです。去年(95年)この近くで開催されました。このオリンピックはアメリカで始まった運動で、5万5000人もの参加で、満員になるほどすごいものです。アメリカではクリントン大統領も出席し挨拶をします。全米でこれに関わっているボランティアの数が約50万人で、選手が7500人くらいの規模です。このようなことがやっ

 

 

 

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