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●ボランティアは肩の力を抜いて楽しくやろう
今度は調査の会場に、実際にヘルプをしている方に来てもらいました。有償ボランティアとそのときも言っていました。「有償ボランティアというのは論理矛盾だ、そもそもそんなことはないのだ、ボランティアというのは無償でやるもんだ」と言う人は、今ではあまりいなくなりました。別に有償サービスを提供しても、ボランティアはボランティアなのです。ボランティアとタダ働きということは話は違います。それはともかく、有償ボランティアの方々に来てもらいました。その暮らしの助け合い運動の「コープ札幌」でいうと援助会員、それからAB会員です。A会員というのはご家庭でサービスを受ける会員、B会員というのはそこに援助に行く人。そしてC会員というのがあり、これは賛助会員で、年間一口3000円のお金を出します、お金で支えていくわけです。そのような会員のうちAB会員の方に話しを伺いました。
A会員はサービスを受けている方ですからこちらから出向き、B会員にはこちらに来てもらいました。私のところの担当になったのは2人で、「コープ札幌」で始めてから、まだどちらも1年ちょっとくらいの方です。
最初の方は55〜56歳の女性です。その方は札幌市内で社会福祉関係の施設の栄養士をしていたのですが、それをやめて暮らしの助け合い運動のB会員、有償ボランティアになった人です。お金や立場の強さから言えば、栄養士の方がずっといいわけですが、「私はボランティア活動をやれるとしたら、この時期しかない」というので、その仕事をやめてボランティアの世界に入った、見るからに立派な方です。その方は援助に行くと一生懸命やり、夜帰ってくると、今日どんな援助をしたかということを克明に日記にっけるのです。そして反省点、こういうようなところがちょっと足りなかった、これからこうしようというのも日記にっけており、それを見せてもらいましたがすごい記録です。毎日毎日、行く人ごとにそのように書いているわけです。「すごいなあ」と思いましたが、ちょっとこの人では駄目だなあと思いました。つまり、そういう方はめったにいませんので、希少価値というのが1っと、それからすぐに次のように言われます。「あの人は立派だ、あの人はすごい、だけど私にはできないよ」。そして何歩か下がってその人の顔が見えなくなれば「物好き」と。今日、実際ボランティアをしている方も相当いらっしゃると思いますが、同じような経験があるでしょう。「物好き」というのは聞こえないかもしれませんが、間違いなく言われています。
これはいろいろな場面であります。例えば私はジョギングが趣味で今朝も8キロ走ってきました。今は気候がいいから、暑くも寒くもなく、気持ちがいいですが、真冬でも5時半に起きて6時から走り出す、まだ真っ暗でマイナス何度というときもあります。私は毎日ではなくて週4日位ですが、それでも走っているわけです。そうすると「やあすごいですね一、立派ですね一」と言います。その後「私にはできませんわ、じゃあ」、そして「物好き」と言っているのです、絶対に。これではジョギングの仲間が増えない、別に私はジョギングの仲間が増えたからどうだと言ってるのではありません。でも、ゴルフは、私はやりませんから知りませんが、1回何万円とかかるようです。楽しいけれどお金がかかる。しかしジョギングの方はお金がかかりません。そして走り終わったあと朝風呂に入

 

 

 

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