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基調講演

『ボランティア団体の社会的役割と自立』

マイアミ「タイムダラー」所長アナ・ミヤレス
司会
では続きましてアナ・ミヤレスさんの基調講演をお願いします。テーマは「ボランティア団体の社会的役割と自立」です。
アナ・ミヤレスさんはアメリカのフロリダ州マイアミを中心として時間預託方式のボランティアである「タイムダラー」マイアミ所長として活動をされています。又、タイムダラーの普及の為に全米各地を走り回っておられます、アナさんは元、銀行の副頭取をされ、8年程前からタイムダラー専任の活動をされております。その他の紹介は、本日お配りしております資料をご覧下さい。
また、通訳はヘロン久保田雅子さんにお願い致します。ヘロンさんはアナさんの親しい友人であると共に、愛媛県の関前村という過疎地にタイムダラーを導入した実践家でもございます。では、どうぞお願いします。
皆さん、こんにちは。「皆さん、こんにちは」というのが私が話せる日本語なのですが次に日本に来る時にはもっともっと流暢に話せるようにしたいと思います。私は25年間銀行に勤めておりました。インターナショナルバンクに勤めていたのですが、銀行マンとして成功をし、大きい家に住み、給料もかなりの額を貰う生活をしておりました。
●私とタイムダラーとの出会い
ある日、そのような企業ウーマンであり母親であり、妻である、ということだけが私にとっての生活の全てで良いものだろうかと疑問を持ちました。
ある時、友達の社会活動家がある案を作り、是非私に手伝ってほしいという事を依頼されました。
最初はそのグループに「出来ない」とお断りを致しました。なぜなら銀行の仕事で手一杯ですし、これ以上自分の仕事を割く事は出来ない。ただ彼達の話を聞いてとても心が動かされるところがありまして、1987年以来「タイムダラー」というボランティア事業に関わっております。
日本に来る度によく聞かれる事なのですが、アメリカでボランティアが浸透している理由の1つに「クリスチャンが多いからでしょう」という事を言われます。決してそうではなく、クリスチャン全ての人たちが、決してボランティアに適している人達とは限りません。私は「クリスチャンが多いからという事ではなくて、アメリカは移民によって作られ

 

 

 

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