日本財団 図書館


 

小売酒販業者のためのアルコールに関する研修事業

 

丸山勝也 重盛憲司 白倉克之
国立療養所久里浜病院臨床研究部

 

最近、試験的に開始された小売酒販業者を対象にアルコールおよびアルコール関連問題に関する知識を普及するための研修事業について紹介する。その前に、まず我国の酒税純度について説明しなければならない。
酒類に対する課税は以下のような方法で行なわれている。
現在、酒税は、国産酒類については製造所から出荷された時点で、輸入酒類については保税倉庫を出た時点で課せられている。酒税収入は全税収の中で比較的大きな部分を占めている。酒類の税率は消費税の対象となっている他の物品に比較して高率である。徴税の方法については次に述べる。
酒税の徴収に関して製造免許および販売免許の二種類の免許嗣が定められている。したっがって、酒類を製造したり販売することを望むものは所轄の税務署長からその免許を得なくてはならない。しかも、こうした免許はアルコール飲料の種類別に取得されなくてはならない。この免許制度は酒税収入の保全と同時に酒類の品質保証のために作られ、罰則も規定されている。すなわち、免許を取得することなく酒類を製造したものは50万円以下の罰金あるいは5年以下の禁固に処され、また、酒類を販売したものは20万円以下の罰金あるいは1年以下の禁固に処されることが定められている。免許を受けている酒類取扱い業者数は1994年3月末時点で178,286である。
酒税徴収のため国税庁は酒類製造業者に対し厳密な査察と指導を行なっており、また、「酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律」にしたがって酒税の徴収や酒類の需給調整が行なわれてきた。この法律にもとずき酒類製造組合、酒類販売組合等が設立され、それによって、設備、原料の購入、販売量、価格等の調整が可能となった。同時にこの法律によって、組合員であるか否かによらずすべての業者に対する大店省の指導や指示が可能と

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION