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予防政策の科学べ一スを広げる:

途上国のアルコール政策に関するケーススタディープロジェクトの実施計画

 

クラウス マケラ博士(Kaus Makela)
フィンランドアルコール研究財団
(Finnish Foundation for Alcohol Stuaies)

 

1994年、グリフィス エドワーズ(Griffh Edward)が率いる、9カ国、17人の科学者で構成される研究チームが、世界保健機関(WHO)欧州支部の協力の下、「アルコール政策と公衆の幸福(Alcohol Policy and the Public Good)(エドワーズ他(Edwards)、1994)」と題した研究を発表した。この研究では、個人の飲酒とリスクの度合い、人口全体の飲酒と飲酒問題発生の全体的なリスク、政策における幅広い選択肢の有用性についてわかっている事実がまとめられている。プロジェクトの過程で、この分野における過去の研究の大部分が、限られたOECD加盟国を対象としたものであるという事実が明らかになった。
発展途上国開会におけるアルコール政策(The Alcohol Policy in Developing Societies[APDS])のプロジェクトでは、途上国という状況下でのアルコール関連間題とその防止策、管理に焦点を当てている。発展途上国開会におけるアルコール政策プロジェクト(The Alcohol Policy in Developing Societies Project、1996)は、ロビンルーム(Robin Room)(カナダ)を長とする独立した研究者チームが、WHO(ジュネーブ)との協力体制の下で実施した。ロビンルーム以下、チームの構成員はマリオ アルガントーニャ(Mario Argandona)(WHO)、ビートリッツカーライニ コッドリン(Beatriz Carlini Cotrin)(ブラジル)、オイエグレー工(Oye Gureje)(ナイジェリア)、デービッド ジャーニガン(David Jernigan)(アメリカ)、アラン ロペズ(Alan Lopez)(WHO)、クラウス マケラ(Klaus Makela)(フィンランド)、マック マーシャル(Mac Marshal)(アメリカ)、マリア エレーナ メディーナーモラMaria Elena Medina-Mora(メキシコ)、マリステラ モンナイロ(Maristela Monteiro)(WHO)、チャールズバリ(Charles Parry)(南アフリカ)、ユーア パルターネン(JuhaPartanen)(フィンランド)、ヨルゲン レーム(Jurgen Rehm)(カナダ)、シャカー ザクセーナ(Shekhar Saxena)(インド)である、プロジェクトの主な目的は、異なる途上国社会におけるアルコール消費パターンと消費量、それらが関与する問題についての事実や、途上国開会における飲酒問題発生を削減するために講じられた個々の予防手段の介入の効果について、判明した事実を学術的書物として編纂することである。
このような書物作成にあたり、主な障害となるのはこれらの問題に関連する発表文献が乏しいことだ。従って本プロジェクトではケーススタディーという形で独自の研究を進めることがもう一つの目標となった。ケーススタディーの結果を編纂予定書物の中心に据え、発表できるよう準備を進めていく計画である。
ケーススタディーの型としては以下のようなものが考えられる。
1.アルコール消費量と問題発生件数との関連性についての時系列分析。

 

 

 

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