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第6回アルコール・センター長会議

歓迎の挨拶

会長 林田 基

 

第6回アルコール・センター長会議の開催に当たりまして、皆様に私より心から歓迎の意を表させて頂きたい存じます。外国から来られましたセンター長の方々、またその他のお客さまにおかれましては、この会期中を通じて日本での滞在が真に心楽しい滞在でありますよう祈ります。
ご承知のように、アルコール問題は世界の問題であります。先ほどのお二方のご挨拶にもありましたように、アルコール間題は日本においても深刻な問題でございます。問題の1つ1つをここでは述べさせていただくことを差し控えますが、一例を申し上げますと、私どもの病院へやってこられる患者さんを見ていますと、多くの方がお年を召しておられて、50才以上といった具合であります。飲酒を長年にわたって十分続けられた後の診察とお見受けします。従って、かなり進んだいろいろな病気を持って来院されます。このことからも、われわれのアルコール問題対策がまだまだ不十分であることが明白であると考えます。また、子供達の間においても、飲酒は確実に増えております。更に、近年は子供達の間で覚醒剤の使用も時々新聞に報じられております。しかし乍らこれらの問題は氷山の一角と思います。このことからして、年長者及び青少年達、その他の人々のアルコール問題に対しても、有効な処置が早急に要請されております。
この様な厳しい状態において、本日、この様に多数のアルコール問題予防領域のエキスパートとお客様を外国から日本にお招きできたことは誠に幸いなことと存じます。私は、この会の素晴らしさは、みんなで一緒に考え、一緒に計画を検討し、そして一緒に社会のアルコール問題の軽減に向かって肩をならべて立ち向かっていくことであると思います。
一方、現実の世の中は、相反するものの価値や利益が錯綜して、効果的な対策を見い出し、世間で受け入れられるような対策を講じる事は必ずしも容易ではありません。われわれは、問題に取り組むに当たってより強固な信念をもって事に望む必要があります。他方、皆様が過去10年以上にわたって果たされたアルコール間題予防領域に於けるご努力とその成果は誠に注目に値するものであります。これは一重に皆様が育んでこられたヒューマニティに帰するものと考えます。アルコール問題の予防面で究極の目標を私たちが達成するためには、今後も引き続き他者へのいたわりの気持を持つと同時に、われわれ自身に対する責任ある行動があってのことと考えます。
この課題は国際的な関心事であり、この点でわれわれは多くを共有致しております。確かに、各国それそれによって、アルコール間題、それらに対する予防対策

 

 

 

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