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of Action)が採択された。これは世界の人口問題を解決するために経済社会開発を推進することについて参加各国が合意してまとめたものである。それまで世界の人口問題に関する認識と政策について必ずしも世界的な合意がなかったが、この会議によって事情が一変した。そのことは10年後にメキシコ・シティーで開かれた「国際人口会議」における参加各国の状況報告にはっきりと示された。この表2で1975年を境にして世界の多くの地域で人口増加率が低くなっている背景にはそのような事実があった。

 

2 世界人口の将来

 

世界人口が今後どのように推移するかは大きい問題である。国連は1951年に最初の推計を発表してから1994年の最新の推計まで14回世界人口の将来推計を発表している。
国連の1994年推計は1990年を基準年として2050年までの推計を行っている(表3)。世界人口は1995年に57億人、2000年に62億人、2025年に83億人、2050年には98億人となる見込みである。来世紀半ばに世界人口は100億人に近い大きさになることが予測されている、この大きさをどう見るか、途方もなく大きいとみるか、それほどでもないと見るかは簡単に答えられる問題ではない。国連の1992年の推計と比較すると世界人口の予測は少な目になっている。2000年の時点で、92年推計より7000万人少なく、2025年には1億8000万人ほど少なくなっている。これは世界人口の出生率が予想以上の早さで低下していることを反映して推計された結果であり、それには大きい意味がある。
世界人口の将来を地域別にみると、先進地域の人口はいくらか増加するもののそれはきわめて小さく、増加の大部分は発展途上地域で起こる。1995年から2050年までの間に世界人口は41億人増加するが、先進地域での増加は4100万人、発展途上地域での増加は40億7000万人である。その結果1995年に先進地域と発展途上地域の人口の配分は、前者が20%、後者が80%であるが、2050年には12%と88%となる。今後人口が増加する発展途上地域でも増加の状況にはかなり大きい違いが見られ

 

 

 

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