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■事業の内容

(1)海外動向調査研究
 内外の資料をもとに南米及びアフリカ諸国の船舶事情等を審議し、報告書(エリア11 ペルー、チリ、アルゼンチン、ウルグアイ、ブラジル、パラグアイエリア19 シェラ・レオーネ、コートジボアール、ギニア)各150部を作成頒布した。
(2)英文総合パンフレット作成頒布
 船舶写真、会社記事等を募集し、編集の上「Modern Ships in Japan’96」を作成した。
■事業の成果

(1)海外動向調査研究
 今回の調査対象国は南米及びアフリカ諸国の9ヵ国である。(エリア11 ペルー、チリ、アルゼンチン、ウルグアイ、ブラジル、パラグアイ、エリア19 シェラ・レオーネ、コートジボアール、ギニア)
(ペルー)
 漁業振興策に伴う漁業調査船・訓練船の整備に対し、我が国にもODA資金による経済協力を強く要請してきており、この分野における市場性も大いに期待でき、また、フジモリ大統領の積極的な経済増大政策により商船の需要も増大するので今後の市場開拓を協力に進める必要がある。
(チリ、アルゼンチン)
 両国の経済事情は悪く、チリには漁業協力資金でわずか2隻しか輸出されておらず、アルゼンチンを含め、輸出市場としては今後の絶え間ないアプローチが必要である。
(ウルグアイ)
 経済規模の大幅な拡大は期待できず、輸出市場としてもあまり期待できない。
(ブラジル)
 同国は国内需要を上回る造船設備を有しており、また、最近では船舶の輸出を国策の1つにするなど、むしろ競争相手国として考える必要がある。
(パラグアイ)
 同国は莫大な貿易赤字を抱え極度の外貨不足に悩まされており、自国商船隊の拡充は困難であり、斯業としても同国に対し十分な協力をすることが同国市場を維持する上で重要である。また、昭和58年に経済協力により現地建造も含めて約30隻の船舶を輸出したが、それらの代替期がぎているので同市場の再開拓を進める必要がある。
(シェラ・レオーネ)
 同国の経済事情は悪く、我が国へは僅かのODA資金を当て込んだ引合いがある程度である。
(コートジボアール)
 同国は経済的危機に面しており、且つ、フランスを中心とする欧州諸国と政治・経済的に密接な関係にあり、同市場を開拓するには経済協力のバックが必要である。
(ギニア)
 同国の海運規模は極めて小さく、且つ、フランスを中心とするEC諸国との関係が根強い。斯業には先年ボーキサイト運搬船の引合がよせられたが、未だ成約にいたっていない。
 以上のように、今回の調査研究により対象国の基礎資料を整備し、今後の輸出対策樹立の指針とすることができる。
(2)英文総合パンフレット作成頒布
 建造量の約80%を輸出船で占める斯業としては輸出の振興が斯業経営のための大きな柱であり、今後とも常に海外市場の維持、開拓を図り需要喚起に努める必要がある。
 今回作成した英文総合パンフレットは、日本の中型造船業の全てを紹介することができた。
 会員会社では個々に自社のカタログを広報宣伝用に刊行しているが、本パンフレットのように集団として当会会員造船所全体を網羅し編集したものの方がより宣伝効果が大きい。
 また、会員造船所で建造した船舶についても船種を貨物船、タンカー、客船、漁船および特殊船の4分類として分かり易くし、更に会員造船所の設備等の実情も充分に紹介することができた。
 本パンフレットの刊行・頒布により、海外の主要顧客、海運関係機関に対し斯業の優秀性及び会員造船所の建造船舶、設備等を充分広報宣伝することができ、今後の斯業の輸出振興に寄与するものと確信する。





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