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■事業の内容

(1)小型船舶等の電気器具推奨品規格の作成
[1] 推奨規格を作成する対象器具類
 照明器具、接続箱、レセプタクル、プラグ、電線貫通金物、ケーブルコネクター、スイッチ類
[2] 陸上試験
 船舶艤装品研究所、三信船舶電具(株)、(財)日本電気用品試験所との間で試験の委託契約を締結し、電気器具類の実用性、安全性について温度繰り返し試験、振動試験、塩水噴霧試験、衝撃試験、耐久試験等の各試験を実施した。
 また、試験実施にあたり、試験立会いを下記のとおり行った。
立 会 場 所 立 会 日 立 会 員
船舶艤装品研究所 平成7年6月29日(1日)
平成7年7月17日(1日) 委員2名、事務局2名
委員2名、事務局2名
三信船舶電具(株) 平成7年8月23日(1日) 委員2名、事務局1名
[3] 報告書及び推奨品規格の作成
a.報告書
(a)規 格  A4判オフセット 93頁
(b)部 数  500部
(c)内 容  ヒアリング調査、実船調査、陸上試験の各種試験結果等
b.推奨品規格
(a)規 格  A4判オフセット 93頁
(b)部 数  500部
(c)内 容  小型船舶の電気器具類推奨品規格集
(2)小型船舶等の電気装備工事技術指針の作成
[1] 装備工事技術指針(ハンドブック)の作成
a.規 格  B6判オフセット 396頁
b.部 数  500部
c.内 容  小型船舶等における電気艤装設計要領、電路系統図及び電気機器配置図の作成要領、ケーブルの布設工事、機器の装備工事、設置工事、防食工事等
■事業の成果

小型船舶等の電気器具推奨品規格の作成については、平成5年度から3カ年計画で実施したものであり、小型船舶等の電気器具類の推奨品規格の在り方について基本的な検討を行い小型船舶等に装備されている電気器具類の問題点を把握するため、実船調査、ヒアリング調査等を実施した。
 推奨品規格としては、電気性能、環境性能を重視した性能規格とし、船舶関係で権威のある運輸省型式承認試験及びJIS規格試験方法を採用することとし、供試品の陸上試験を実施するとともに、推奨品規格として相応した7品目(51点)について規格を作成した。
 この事業で実施された一連の調査、試験等は今後の推奨品選定の在り方を検討する上で有益な資料を提供するとともに「小型船舶等の電気器具類推奨品規格」が小型船舶等に装備される電気器具類の信頼性の向上と電気艤装工事等の合理化、小型船舶等の安全性の向上に寄与するものである。
 また、平成5年に小型船舶の範囲が拡大されたことにより、関係法令、技術基準が改正され、また一方、国際的には無線設備についてGMDSS(全世界的な海上遭難安全システム)が平成11年までの間に段階的に導入されることになっている。
 小型船舶等は、船内空間が狭く機器の設置場所の問題や作業環境の悪さ、また燃料にガソリンなどを使用するものが多いという特殊性から電気艤装工事については細心の注意を払わなければならず、最新の施行技術、規則を盛り込んだ小型船舶等に関する電気艤装工事指針が常に求められている。
 このような情勢に対応するため、「小型船舶等の電気装備工事技術指針の作成」においては平成3年度に作成したハンドブックの全面見直しを行い「小型船舶等の電気装備工事ハンドブック」を作成した。
 本ハンドブックは、小型船舶等の電気艤装設計及び工事の方法について図解を交えて解りやすく解説するとともに遵守すべき小型船舶安全規則及び小型漁船安全規則についても条文とともに検査の細則を掲載し、解釈が難しいものについては図解を行うなどしているので、小型船舶等の電気艤装工事に携わる方が日常携行して業務を容易に行うことができ、かつ、小型船舶等の安全に寄与するものと思料される。





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