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■事業の内容

(1)名   称    国際協力結核予防セミナーの開催
(2)研修開催国    モンゴル国(ウランバートル市)
ベトナム社会主義共和国(ホーチミン市)
(3)主催及び後援   主催:財団法人結核予防会
後援:厚生省、財団法人日本船舶振興会、世界保健機関(WHO)、国際協力事業団、IUATLD(国際結核・肺疾患予防連合)
(4)研修期間     モンゴル 平成7年8月22日〜25日(4日間)
ベトナム 平成7年11月7日〜10日(4日間)
(5)研修人数     モンゴル 39名
ベトナム 73名
(6)セミナーの内容  (1)当該国の結核蔓延状況と現状の分析
(2)結核対策の戦略(総論)
(3)国家結核対策の治療方針
(4)国家結核対策での登録・報告
(5)国家結核対策での評価
(6)国家結核対策での薬剤の供給と分配
(7)国家結核対策での菌検査体制
(8)HIV(エイズウイルス)蔓延下での結核対策
(7)派遣講師及び事務局人数
モンゴル 7名
ベトナム 7名

■事業の成果

現在、世界で毎年発生する結核患者は800万人、結核による死亡は300万人弱。その90%が、アジア、アフリカをはじめとする途上国である。
 結核の蔓延は、生産年齢を直撃し、貧しい国の経済の向上を阻害し、しかもHIV(エイズウイルス)の蔓延が結核の流行に拍車をかけている。また、HIVはアジア地区に急激に増加する傾向を見せており、そのため、WHOでは非常事態宣言を発して、早急に対策を講じることを呼びかけた。
 しかし、アジア諸国は、結核対策の推進に苦慮しており、特に人材の育成について本会にセミナーの実施を強く要望して来た。
 このような状況を改善するために、平成7年度はモンゴル国及びベトナム社会主義共和国において、結核予防セミナーを開催した。
セミナーの内容は
(1)当該国の結核蔓延状況と現状の分析
(2)結核対策の戦略(総論)
(3)国家結核対策の治療方針
(4)国家結核対策での登録・報告
(5)国家結核対策での評価
(6)国家結核対策での薬害の供給と分配
(7)国家結核対策での菌検査体制
(8)HIV(エイズウイルス)蔓延下での結核対策
 等について行われた。
 モンゴル国の結核対策は、ロシアからの影響を1994年初頭まで強く受けていたため、世界の趨勢、WHOの結核対策から大きく離れ、臨床医学を重視し、公衆衛生学的視点が弱いものとなっていた。そこで、1994年春、WHOの方針に沿った結核対策に改めることに決定し、同年7月より新政策を導入した。
 昨年の本結核予防セミナーはWHO政策の理解、普及に大きく役立つ機会となった。
 今回の本セミナーの目的の重点は、WHO政策の正しい理解をさらに広げるため、上級の医師を対象にして行い、モンゴル国の結核対策に携わる主要な医師の統一を図ることを目的としたので、参加者から高い評価が得られた。
 また、昨年行われた第1回セミナーの結果、診断、治療に改善が認められ、世界の新しい情報がモンゴル国に入り、大きなインパクトを与えたので、第1回セミナーは極めて有効であったことが確認された。
 ベトナムでは、1975年にベトナム戦争が終了し、結核対策については1986年のオランダ主催の研修が行われ、WHOやIUATLDの考え方を積極的に採り入れており、保健医療に従事する職員の質が高く、また施設の整備、職員数も確保されていた。
 今回の本セミナーによせる期待は大きくベトナム53省すべての代表が参加した。研修出席者は非常に熱心で各講義後の質疑応答は活発に行われ、大きな成果があった。





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