■事業の内容
(1)委員会を2回開催し、今年度事業の開催日、テーマ、海外招聘講師及び国内講師、パネリストの人選、開催日当日の進行、役割分担等について協議した。 (2)国際セミナーの開催 第21回国際セミナーを下記の通り開催した。 [1] 開 催 日 9月1日(金)〜2日(土) [2] 開催場所 笹川記念会館国際ホール及び4階会議室 [3] テ ー マ 医学と看護の中でいのちの質をどう考えるか [4] 講師及び演題 ・私のQOLの考え方(日野原重明当財団理事長) ・医療のすばらしさとQOL(L.フォロー) ・日本の臨床医学におけるQOL(萬代隆・大阪国立循環器病センター医師) ・倫理的判断とICUにおけるQOL(M.グリーンスパン) ・生から死へ 死にゆく患者たちの看護とQOL(I.コーレス) ・倫理的哲学と医学との接点の問題(S.ゴロヴィッツ) ・オスラーの生涯とヒューマニティー(O.シャルマ) [5] 分科討論会 <グループA> a.テ ー マ 医学におけるQOL−医師及び看護教育者・コメデイカル b.パネリスト L.フォロー、S.ゴロヴィッツ、O.シャルマ 福 間 誠 之(明石市立市民病院長) 岡 安 大 仁(元日本大学医学部教授) 今 中 雄 一(日本医科大学医療管理学教室) 小 島 操 子(聖路加看護大学学部長・教授) 野 村 祐 之(青山学院大学講師) 西立野 研 二(ピースハウス病院院長) <グループB> a.テ ー マ ケアにおけるQOL−看護婦及びコメデイカル・ボランティア b.パネリスト M.グリーンスパン、I.コーレス 植 村 研 一(浜松医科大学脳神経外科教授) 石 垣 靖 子(東札幌病院看護部長) 石 森 携 子(淀川キリスト教病院ホスピス婦長) 千 原 明(聖隷三方原病院ホスピス所長) 佐々木 道 人(聖路加国際病院チャプレン) 松 島 たつ子(ピースハウス病院看護部長) [6] 参 加 者 医療・看護従事者、ボランティア、一般/2日間 延1,666名 (3)国際ワークショップの開催 第19回国際ワークショップを下記の通り開催した。 [1] 開 催 日 8月5日(土)〜6日(日) [2] 開催場所 東京・御茶ノ水スクエア ヴォーリーズホール [3] テ ー マ ドイツの全人的医療の中での音楽療法−その理論と実際 [4] 講 師 S.ラインホルト(ドイツ・フィルタークリニク音楽療法師) 東 福 真 弓(ドイツ・フィルタークリニク音楽療法師) [5] 参 加 者 医療・看護従事者、音楽療法学会関係者、一般/2日間 延424名 (4)地方セミナーの開催 [1] 国際セミナー 開 催 日 9月3日(日) 開催場所 京都・京都府医師会館 テ ー マ 医学と看護の中でいのちの質をどう考えるか 講師及び演題 L.フォロー/医療のすばらしさとQOL I.コーレス/生から死へ−死にゆく患者の為の看護とQOL 参 加 者 120名 [2]国際ワークショップ 開 催 日 8月8日(火)・10日(木) 開催場所 札幌(ホテルKKR)、仙台(仙台市福祉プラザ) テ ー マ 医療や療育に音楽療法をどう活用するか 講師及び演題 S.ラインホルト、東福真弓 参 加 者 札幌 246名、仙台 329名
■事業の成果
当財団の「医療と教育に関する国際セミナー」は、本年で第21回となり、関係諸団体、医療関係者に広く認識・評価されるに至っている。 このセミナーの基本的なテーマは、医学教育、看護教育の啓蒙推進にあり、その時々の先駆的な課題を選び、欧米の医療先進国からそれぞれの分野の専門家・実践者・学識経験者を招いて、各国の実例を紹介してきた。 当財団は、平成5年9月に本邦初の独立型ホスピスを開院したが、第13回以降の国際セミナーでは、この計画と実施の段階に合わせて、ターミナル・ケアの各分野に亘るテーマを選んで開催してきた。 本年度は、ホスピスケアのみに限らず、広く医療の現場で関心を集めている患者の命の質、Quality of Lifeをどう考えるかをテーマとして、内外の専門家による講演会と討論会を開催したところ、地方セミナーも併せて、近年にない延1,800名近くの参加者を得、この問題の重要性についての認識を更に昂揚し、その知識の啓蒙・普及に資するところ大なるものがあった。 更に、この成果を翻訳、編集して報告書にまとめ、セミナー出席者中の希望者及び関係諸団体に配布し、一層の活用を図っている。 一方、本年で第19回となる国際ワークショップは、理論や理念より、実践的な医療知識・技術の紹介を中心に行ってきたが、本年は、日本でもとみに関心高まり、平成7年4月から関連学会「全日本音楽療法連盟」が組織されるに至っている音楽療法について、ドイツから音楽療法師2名を招き、症例に合わせた楽器の種類、曲目の選定などの理論と実演のワークショップを行った。この反響は極めて大きく、札幌、仙台においても東京を上回る参加者を得、日本における音楽療法の知識・技術の啓蒙・普及に多大の貢献をしたものと評価される。
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