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■事業の内容

(1)レーダービデオ情報等衛星利用伝送方式の研究
 レーダービデオ情報及び空地間の音声情報は航空交通管制業務を行う上で不可欠な情報であって、わが国全土に亙り多数配置されている航空路監視レーダー施設及び対空通信施設から札幌、所沢、福岡及び那覇に在る各航空交通管制部に、主として地上の電話回線を経由して伝送しているのでこれらの回線が自然災害、過激派の妨害等の不測の事故により障害になると航空交通に多大の混乱を惹起することとなる。このため、現状では回線を二重化するなどの対策を講じてあるが、大地震等の地域的災害に対しては万全とは言いがたく対策が望まれている。
 近年において、民間の通信衛星が種々の分野で利用され、運用が確保され、信頼性も期待出来るところから、これを利用することについて、平成5年度からの3カ年計画によりレーダー情報等の衛星経由の伝送方式を研究してきており、本年度は6年度に試作した評価用の器材を各サイトに設置し、衛星経由のレーダビデオの評価及び運航中の航空機パイロットと航空管制官とによる通話の評価を行い、今後における本整備のための貴重なデータを得た。
報告書:50部(航空局40部、その他10部)
(2)VHFデジタルリンクの研究
 航空機と地上との間の交信に使用されているVHF(超短波)は、近年の航空交通の激増によりチャネル数が不足し、これに対処するため、航空に割り当てられている周波数帯の中で再度に亙って細分化してチャネル数の増加を図るなどの対策を行ってきたがこれも限界に達し、地域によっては近い将来、混信により交信不能となる恐れがあり対応が求められている。一方では最近の航空機がハイテク化され、省力化されるに伴い、地上との間で多くの管制情報及び運航関係の情報を交信するため、従来の音声回線に加えて高速データ通信回線を新たに設定する必要が生じてきている。
 これらの要望に応えるため、交信情報をデジタル化し、最新技術を用いて多重化することにより一つのチャネルで複数の音声と高遠データ情報を同時に伝送する方式の適用が考えられている。この新しい通信方式はVHFデジタルリンク(VDL)と呼ばれ、今後各国の開発をまって、ICAOは国際標準化しようとしており、わが国に対する期待が大きい。
 開発に当たっては、通信品質、効率、信頼性、運用形態等技術面及び運用面から十分な調査検討と評価が必要なため、平成5年度からの4カ年計画により実施してきており、本年度はシステムを構成するデータリンク部及び高周波部を試作し、それぞれの評価を実施した。
報告書:50部(航空局40部、その他10部)
(3)簡易運航管理のための小型機搭載衛星通信・航法装置の開発
 コミューター航空等で使用される小型機の安全対策として、航空衛星を利用した通信システムと航法システムを組合せた装置を機上側に設置することにより、地形や建造物によるブラインドエリアの影響を被ることなく地上側から当該機の運航監視が出来、飛躍的な安全確保が可能となるが、既存のシステムは極めて高価であり小型機への普及は困難である。よって、簡易かつ安価な通信・航法搭載装置を開発するにあたり、本年度は6年度の設計をもとにして装置の試作を行った。
報告書:50部(航空局40部、その他10部)
(4)CNS/ATMシステムに対応した機上装置の導入評価研究
 ICAOは近い将来の航空航法システムとして、衛星やデータリンク技術など新しい技術を用いた通信(C)航法(N)監視(S)のCNSシステム及び航空交通管理(ATM)システムを提言しており、先進各国は、航空交通の安全性の向上と運航効率の改善をはかるためこれらシステムの導入に向けて地上施設及び機上装置の開発を進めている。
 特にわが国は広大な洋上管制空域を有しておりCNS/ATMシステムの必要性は極めて高く導入が急がれるため、1997年末には米国との間での評価実験(ADSトライアル)を予定している。
 この実験に向けて、CNS/ATMシステムの機上装置としてB747−400に搭載されている電算機システム(FMS)を新システムに改良するとともにこれに対応した地上試験システムを整備し、両者により航空交通管制業務への利用の面から通信及び表示能力等を実用に先立ち確認するための総合評価を実施するため、本年度は実施設計及び地上試験システムのプログラミングを行った。
報告書:100部(航空局50部、その他50部)

■事業の成果

本事業により、レーダービデオ情報等衛星利用伝送方式、VHFデジタル・リンク、簡易運航管理のための小型機搭載用衛星通信・航法装置及びCNS/ATMシステムに対応した機上装置の導入評価に関する研究を行い、もって航空の安全確保に資したものと思われる。





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