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■事業の内容

(1)第1回液状化物質検討部会及び第1回特殊貨物運送委員会
 本年度の研究実施計画を検討し決定した研究内容の内「運送許容水分値の計測」を当協会理化学研究所と、「液状化関連規則の適用除外物質のクライテリアの研究」及び「粒径分布からみた液状化物質の範囲の研究」を社団法人日本船舶品質管理協会船舶艤装品研究所とそれぞれ試験研究委託契約を結び調査研究を行うことになった。
(2)第2回液状化物質検討部会
 本年度の委託調査研究「液状化特性に関する研究」及び「貨物の運送許容水分値の計測等」の進捗内容並びに次年度の研究実施計画(案)が検討され了承された。
(3)実態調査
 大分県佐賀関精錬所において産出される鉱さい(カッパースラグ)及び宮崎県日向製錬所において産出される鉱さい(ニッケルスラグ)についての生産実態調査を行った。いずれの製錬所においても製品製造過程における品質管理が整っているので、産出される鉱さいの品質が一定していることが確認された。今後、各船積貨物の同等性をいかに査定/判定するか、また、この同等性の認定方法等が検討課題となった。
(4)第3回液状化物質検討部会
 「液状化特性に関する研究」の調査を委託している船舶蟻製品研究所において、第3回検討部会を開催し、非液状化判定試験法実施に立ち会った。
(5)第4回液状化物質検討部会
 委託試験結果、実態調査等をもとに調査内容について検討し、中間報告書(案)として取りまとめ、上部委員会へ提出することになった。
(6)第2回海上貨物運送調査会特殊貨物運送部会において、中間報告書(案)が承認された。
 本中間報告書は、検討部会及び上部委員会が行った調査研究検討内容を取りまとめ最終年度の調査研究の基礎となる資料として作成されたものであることが確認された。
■事業の成果

本年度の研究内容は、
○運送許容水分値の計測
○各種物質の定義、特性及び運送概要
○鉱さい(スラグ)に関する実態調査
○非液状化物質の特定法の開発
○液状化物質の運送要件の研究
から構成されている。それらの研究成果から得られた重要な知見は、次のようなものである。
[1] 貨物の特定について
a.貨物に関連する用語の定義及び内容を明確にした。
[2] 非液状化物質であることのクライテリア
a.液状化物質判定のための手続きの基本的な作業フローを示した。
b.各作業内容を明確化し、判定基準の提案を行った。
c.IMOにおいて議論の基になる実験データを示した。
[3] 液状化物質の運送要件
液状化物質を対応する比重の液体として考え、輸送の適否を検討する手法を明確にした。





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