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■事業の内容

(1)調 査
[1] 海外における漁船の操業実態の調査
 国内における主要な漁業基地(気仙沼、清水、焼津、高知・室戸、鹿児島)の船主を対象にアンケート及び聞き取り調査を行った。この結果、遠洋鮪延縄漁船の従業実態が把握できる資料が得られた。
[2] 当該漁船の海外及び国内における保守・整備の実態調査
 日本国内の主要な漁業基地(気仙沼、清水、焼津、高知・室戸、鹿児島)を基地としている鮪延縄漁船の船主及び船舶造修業者から、保守・整備等の実態について聞き取りによる調査を行った。この結果、当該漁船の海外及び国内における保守・整備実態に関する資料が得られた。
[3] 当該漁船が海外で保守・整備を行う場合の国内メーカー・整備事業者等による支援体制の調査
 上記b.と併せて、国内の船舶造修業者による海外における支援体制について、その実態について聞き取りによる調査を行った。
[4] 海外の漁業基地周辺における日本漁船に対する保守・整備体制の実態調査
 2/4半期において実施したアンケート調査結果及び委員会における審議・検討結果に基づき、以下の3地区を選定し、当該地域にある船舶造修設備、機関・救命設備の整備業者等の現状及び実態等について海外調査を行った。
a.アフリカ地区…………………<ラスパルマス・ケープタウン>
b.中南米地区……………………<カヤオ・バルボア>
c.アジア・オセアニア地区……<シンガポール・フリーマントル・ホニアラ>
(2)委員会「海外における日本漁船の保守・整備体制の整備に関する調査委員会」
○第1回
開催日時  平成7年6月29日(木)13:30〜15:30
場  所  船舶振興ビル10階会議室
議  事  [1]平成7年度事業計画について
[2]平成7年度事業実施計画書(案)について
[3]海外における日本漁船の保守整備の実態について
[4]アンケート調査票について
[5]その他
○第2回
開催日時  平成7年9月29日(木)13:30〜15:30
場  所  船舶振興ビル10階会議室
議  事  [1]前回議事録(案)の確認
[2]アンケート調査結果について
[3]国内聞き取り調査法案について
[4]海外調査方案について
[5]その他
○第3回
開催日時  平成8年2月19日(木)13:30〜15:30
場  所  船舶振興ビル10階会議室
議  事  [1]前回議事録(案)の確認
[2]事業報告書(案)の審議
[3]その他
■事業の成果

近年、海外の漁業基地を起点に長期間操業する日本漁船が増加しており、その定期的な保守・整備及び船舶検査の受験時期を海外で迎えるケースが多くなっている。
 一方、これら当該漁船の保守・整備を行う漁業基地周辺の諸施設、事業者等は十分な能力を備えているとは言い難い状況であり、このため、技術者の派遣等国内関係事業者の支援を受けながら実施している。しかしながら、支援要請を受けた事業者等は、当該漁船の動向、現地における諸施設、設備の状況等の情報が不足しているため、効率的な支援体制を整えることが困難な実状にある。
 また、操業スケジュールの変更に伴う保守・整備時期、機器故障等による整備等の必要性が生ずる事も多く、迅速な対応が求められている国内の関係事業者にとって、当該漁船が遠隔地にいることなどからも、その対策には様々な困難を伴い大きな負担となっている。
 本年度における事業の成果は、遠洋延縄漁船について、従業及び保守・整備の実態、国内造修業者の支援・対応の実態と問題点並びに漁業界の今後の動向等が明らかとなり、今後海外で操業する期間が長期化する延縄漁船が、海外での保守・整備及びそれに伴い今後増大する海外検査に対応するための検討課題が明らかとなった。
 この結果、対応策を可能なものから順次実施することにより、我が国の漁船建造及び修理並びに関連整備事業者の効率的な業務の遂行、海外船舶検査の効率的な執行等、海外で長期間操業する漁船の安全と操業の効率化が図られるものと思料される。





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