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「水路新技術に関する研究」の報告書

 事業名 水路新技術に関する研究
 団体名 日本水路協会  


■事業の内容

(1) 観測衛星データ利用による海洋情報高度化システムの調査研究
[1] NOAA衛星の水温データによる海流図作成プログラムの開発
 昨年度の基本設計に基づき、流況を視覚的に把握できる海流図作成プログラムの開発を検討した。
 NOAA衛星軌道直下データの各画素における温度傾度検出のプログラムを開発し、各プログラムの機能確認と更に角度算出プログラムを開発した。
[2] TOPEX/Poseidon衛星の高度データ処理手法の検討及び処理プログラムの基本設計
 高度データに対し放射量補正、潮汐の影響除去、データの再配置、ジオイドの除去等の事項についての手法を調査・整理し、それぞれの得失等を比較検討した。
 必要な補正処理を施した後のデータの抽出、海面高度変動値算出のプログラムの開発、機能確認及び修正を行った。
 また、平均高度算出プログラム作成方法等を検討し、海面高度変動値算出のプログラムを開発した。
[3] 黒潮流軸推定手法の調査・検討及び処理アルゴリズム開発典型的な流分布モデルを作成し、海面高度を算出するアルゴリズムを調査研究した。
 また、このアルゴリズムを、実際の海洋観測データを用いて検討・修正し、海表面力学高度平均推定手法を検討した。
(2) 精密海底調査による海底変動の検出手法の研究
[1] 測量船の測位手法の高精度化
 調査の結果下記のような事柄が判明した。
 航法を目的として、1960年後半に利用始まった測位手法NNSS(米国海軍の開発)が、現在はGPS(米国国防省の開発)に代わりつつある。
 GPSは精度も高く測量の分野でも使用されるようになった。GPSの測位手法としては、搬送波位相を測定する干渉測位法が用いられている。干渉測位には、スタティック方式とキネマティック方式があり、最近ではキネマティック方式の研究が進んでいる。本事業の研究対象としては、東京大学海洋研究所が実施した干渉測位法に基づく位置精度検証実験と米国アシュテック社、カナダのカルガリ大学及びアプライドアナティック社の論文等を収集・検討した。
 また、ごく最近著しく研究の進んでいるリアルタイムキネマキィックオンザフライ方式についても精度等の調査・検討・評価を行った。
[2] 海底基準点網の構築についての研究
 海底基準点の位置測定については、当協会が実施した海底観測ステーションシステムの研究開発に関連し、海底に設置された精密距離測定装置及び地殻上下変動観測装置の原理、性能、精度等について改めて検討を行った。
 また、米国国防地図局が実施したGPSを用いた海底トランスポンダの位置測定法として、ブイにGPS受信機と海底トランスポンダ用の送受波器を装着して、ブイの漂動中にGPSとトランスポンダに対する距離測定を同時に行い、トランスポンダの位置を算出する。システムを調査・検討した。
[3] 最新の音響測深機シービーム2000についての調査・検討
 国内で比較的多く装備されており、かつ代表的な測深装置であるシービームについて調査を行った。
 また、ヨーロッパ等で使用されているマルチナロービーム音響測深機EM12及びスクリップス海洋研究所で試験された深海曳航型のマルチナロービーム音響測深機及び最近開発されたシーバットについても調査・検討及び評価を行った。
 一方、航空機又は衛星によるストリップマップ方式に使用されている合成開口レーダ(SAR)手法を、海底調査に適用できるかの可能性を明らかにするため分解能等について調査・検討を行った。
■事業の成果

NOAA衛星軌道直下の各画素の温度傾度、角度算出及び潮境特定の各プログラムを開発し、これらを組み合わせる海流図作成プログラムが作成できた。またTOPEX/Poseidon衛星のデータに対する高度計データの読み込み及び表示プログラムの作成により、高度データの処理手法の調査検討を進め、基本設計を終了することができた。
 また、最近急速に発展し、注目を集めているGPS干渉測位方式のリアルタイムキネマチックオンザフライ法によれば、海上移動体ではこれまでは実現不可能だった数cmの精度での測位が可能であること、しかも数台のGPS受信機を併用すれば船舶の動揺、船首方向の変化をも検出できるようになったことが判明した。
 この結果、このようなGPSを用いることにより、測量船等の測位精度の高度化は十分に実現され得るものと予想され、更に、船体動揺及び船首方向の変化の検出とそのデータ利用と合わせ今後の実用検証実験がまたれることとなった。
(1) 海底基準点網の構築についての研究
 海底に設置する基準点の正確な位置決定方法として、海底の2カ所に音響トランスポンダーを設置してその間の基線距離を測定する方式と、海底に設置した基準点を海面上の船舶を介して測定する方式がある。
 海底の測定では、1,000mの基線において1cm、上下動計測で1cmを目標として研究された例がある。
 一方、海底に設置した基準点の位置決定を海面上からの音波測距法で行うには、現在よりもなんらかの新たな手法を開発して距離測定精度を向上させなくてはならないため、引き続き検討及び研究が必要とされる。
(2) 最新の音響深機シービーム2000についての調査・検討
 最近のマルチナロービーム音響測深機は、これまでのよりも改良され、飛躍的に能率よく深海の海底地形の測量を可能としているが、本研究を達成するためにはさらに、合成開口レーダ(SAR)方式の応用等が必要である。
 調査検討の結果、このためには移動体(船舶)の動揺補正、航行速度の検出、音波の伝搬路における屈折補正等の問題を解決すれば適用が可能であることを確認した。
 以上のような本年度の研究の結果、海底地殻変動を検出する目的の精密海底調査の手法としては、GPS干渉測位法による海上測位精度の向上、水中音響測位による海底基準点の高精度な位置決定及び基準点間の基線計測、また開口合成レーダ方式の導入等により改良されたナローマルチビーム音響深機を用いた手法等を併用して、繰り返し測量による精密海底地形図を作成し研究する必要がある。
 次年度にこれらを含んだ実験の実施と結果の検討・評価を通じて本事業を発展させ、所期の成果を挙げる目途が立ち、今後海難防止等への効果が期待される。





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