(1) 東九州中核ポート化を目指した大分港の海上輸送網整備のあり方に関する調査研究 関係先を対象としたアンケート・ヒアリング調査結果及び既存資料等の分析の結果、以下の事項が明らかになった。 a. 大分県を中心とした国際輸送の実態把握 b. 国際輸送面における東九州中核ポートのあり方 c. 大分港における東九州中核ポートのあり方 d. 大分港の東九州中核ポート化の課題と推進方策 以上、国際輸送面における整備コンセプト・方針及び中国・東南アジア等を結ぶ国際海上輸送網形成の可能性等について検討したうえで、国内輸送面の検討結果との融合を行い、大分港の東九州中核ポート化の形成シナリオや大分港が備えるべき機能・施設・その実現化のための課題と推進方策について提起した。 本調査研究成果は、東九州軸形成並びに第二国土軸形成促進を図り、海・陸輸送体系の整備を推進するため、国及び地方公共団体の行政指針の策定、また関係業界の対応等に活用されている。 なお、本調査研究は、大分-伊予間に平成7年7月より就航予定の旅客船航路開設にも活用された。(大分-伊予、1時間45分、1日3便、旅客数300名)
(2) 九州西部・南部経済圏の港湾背後地における物流拠点整備に関する調査研究 関係先を対象としたアンケート・ヒアリング調査結果及び既存資料等の分析の結果、以下の事項が明らかになった。 a. 陸上ルートと海上ルートの結節点としての可能性 b. 物流ネットワークシティに付加される機能・施設 c. 物流ネットワークシティの資質 d. 物流ネットワークシティ構想推進調査の再構築 e. 物流ネットワークシティ基本計画の策定 以上、物流ネットワークシティ構想の実現に向けての問題点の整理と基本計画の策定を行った。 なお、本調査研究成果は、人吉・諌早両地区における物流ネットワークシティ構想を推進するため、国及び地方公共団体の整備計画の策定、物流関係事業者が両地区に進出する際の計画策定の資料として活用される。
(3) 南西諸島北部海域における新しい海上交通体系の整備に関する調査研究 関係先を対象としたアンケート・ヒアリング調査結果及び既存資料の分析の結果、以下の事項が明らかになった。 a. 南西諸島周辺航路の実態と吐喝喇列島(十島村)の現況 b. 住民の意識 c. 南西諸島周辺航路を取り巻く環境変化 d. 南西諸島周辺航路整備のあり方 e. 南西諸島周辺航路を取り巻く問題点の抽出と整理 f. 望まれる運航案の策定 以上、当該海域周辺航路を取り巻く環境変化、住民の要望や予算上の制約条件等、航路整備のあり方ついての問題点を抽出・整理し、その上で望まれる運航案を検討した。 なお、本調査研究成果は、離島振興関発の一環である海上交通体系の整備を推進するため、国及び地方公共団体の行政指針の策定、関係業界の対応策の策定に活用されている。 以上、本調査研究を実施した結果により、九州経済圏における海運及び流通の振興と近代化が図られたものと思料される。