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■事業の内容

輸出船市場調査研究
 内外の資料をもとにアジア・欧州大陸諸国の船舶事情等を審議し、報告書(エリア3:インド、パキスタン、バングラデシュ、スリランカ  エリア17:ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、デンマーク)各150部を作成頒布した。
■事業の成果

今回の調査対象国はアジア及び欧州の8ヵ国である。(エリア3:インド、パキスタン、バングラデシュ、スリランカ エリア17:ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、デンマーク)
 エリア3:インドの船腹保有量は約660万総トン(平均船齢14年)であり、パキスタン、バングラデシュ、スリランカはそれぞれ船腹保有量30〜40万総トン、平均船齢19〜22年である。
 インドは当会会員に対しても比較的活発に引合を寄せているが、船腹拡充計画遂行の未熟と外貨不足等により成約には至っていない。他の3ヵ国は老朽船を多く保有しているが、外貨準備高不足等の経済事情から代替建造は殆ど進んでいない。
 エリア17:ノルウェーは1993年の船腹保有量が約2,150万総トンであるが、その半数は平均船齢25年の老朽船である。一方、造船業は年々衰退し1993年の建造量は16万総トンに過ぎず、代替建造をスペイン、日本、韓国等に発注しており好市場である。
 スウェーデンは貿易依存度の高い国であり、海運業は重要産業の一つである。一方、造船業は、かつては世界的な造船国であったが、現在では15,0OODWクラスの船台が数基稼働している程度である。このため、近隣諸国及び日本、韓国、中国、インドネシア等に各種船舶を発注しており、わが国からも多数輸出している。
 フィンランドは造船業、特に客船、砕氷船の分野で優れている。一方、海運業は余り盛んでないので今後もさほどの船舶の対外発注はないと思われる。
 デンマークは540万総トンの船舶を保有し、欧州第6位の海運国であり、有力海運会社は傘下に造船所を保有し優先的に新造船を発注している。93年の受注工事量は約80万総トンで約2年分の工事量に相当する。わが国からも輸出実績があり、アプローチの仕方によっては相当な好市場と考えられる。
 以上のように、今回の調査研究により対象国の基礎資料を整備し、今後の輸出対策樹立の指針とすることができたと思料される。





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