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「操縦運動時の船体周囲流場に関する研究」の報告書

 事業名 操縦運動時の船体周囲流場に関する研究
 団体名 日本造船研究協会 注目度注目度5


■事業の内容

(1) 操縦性能推定法の基礎調査
[1] 文献調査
 操縦性文献の中から、主に流場観測に関連する調査対象を選び出しリストを作成した。次にその内容を調査検討し、抄録が必要なものを選択して、合計33編の文献抄録を作成した。
[2] MMGモデルによる試計算
 MMGモデル試計算及び 次項の模型試験で採用する船型を決定するため、最も操縦性データの完備しているSR 196船型を基として検討を行い、V型及びUV型船尾フレームラインのA、B2船型の線図と舵・プロペラ等の主要目を決定した。
 参加会社4社において、それぞれが使用しているMMGモデルを使って対象船型の操縦性試計算を実施し、計算結果の相互比較、相違点等の問題点の抽出等を行った。基本的には同一である筈のMMGモデルにおいても、各種の計算結果にはかなりの相違があることが明らかとなり、これの統一化と推奨モデルの作成が本研究の成果となりうることが予想される。
(2) 模型試験
[1] 操縦性試験
 計画では、拘束模型試験、自由航走試験等の操縦性試験だけを行う予定であったが、研究内容を検討した結果、抵抗自航試験及びプロペラ単独試験も実施した方がよいとの結論を得て、それらの実験も追加して実施した。また、操縦性試験と下記の流場計測試験の両者を同一模型で精度よく実施できるよう、模型船の寸法と作成法に工夫をこらした。
 実験はA、B両船型について実施し、自由航走試験では旋回、逆スパイラル及びZ操舵の各試験を行い、フレームラインの違いは針路安定性に大きな影響を及ぼし、A船型はB船型に較べて針路安定性が劣る等の結果が明らかとなった。
[2] 流場計測
 本年度はA、B両船型について、斜航状態における流場計測と船体表面の圧力計測を行うために、特に入出力データの処理・解析装置を整備すると共に、3分力計を用いて船体に加わる前後力、横力、旋回モーメントの測定を行い、操縦流体力を推定した。
 流場計測の結果、A、B両船型では渦度分布の位置と伴流分布の拡がり方とその強さにかなりの相違が認められた。また、船体に加わる横力はB船型の方が大きく、旋回モーメントはA型船の方が大きく、左右動の着力点はA船型の方が著しく船首よりにあって、結果としてA船型は針路の不安定性があることが認められた。
(3) 操縦運動時の流体力及び船体流場の理論的検討
[1] 数学モデル検討
 斜航中の船体運動及び流体力に関する既存の数学モデルを調査し、それらの比較検討と問題点の整理の結果から、新しい数学モデルのあり方を検討した。このため、細長体理論、自由渦と剥離線の影響を考慮した理論等に基づく計算を数多く実施し、斜航中の船体運動及び流体力を精度よく表現できる数学モデルの構築を試みた。また、主要目を用いた操縦徴係数のデータベースを整理し、過去の膨大なデータから操縦性能を推定する方法も検討した。現時点では実用の精度を確保するにはまだ困難が伴うが、タイプシップの概念の導入とフレームラインの形状の影響との組合せにより、データベースの活用が効果的にできる見通しを得ることができた。
[2] 流場計算・干渉計算
 WISDAM法による流場計算、非線形揚力面理論、準連続渦分布法等による船体と舵・プロペラの干渉計算等を実施し、斜航中の船体周囲の流場の問題点を解明することを図り、多くの知見を得た。これは今後の操縦性能解明の大きな手掛かりとなると考えられる。
■事業の成果

船舶の操縦性能の予測及びその向上に関する技術は、海難事故防止の観点から非常に重要な問題であり、特に大型タンカーの操縦性不良に伴う事故は重大な環境破壊を引き起こす原因となっている。このため、IMOにおいても簡潔な操縦性能基準が具体的な数値で提案される状況にある。
 このような背景の下に、船舶建造の計画時に操縦性能が十分な精度で推定できるよう、操縦性能予測技術の高度化が要求されうるようになった。従来の技術では、船舶の主要寸法比等から推定される操縦性微係数を用いるのが一般的であるが、これでは船体形状の違いが反映されたものとなっていない。
 本研究では、船体運動時の周囲の流場、船体への圧力分布等を解析することにより、主要目の値よりももっと厳密な船体形状(例えばフレームライン等)の影響を含めた操縦性能の予測技術を確立しようとするものである。このため、従来最も操縦性データのそろっているSR 196船型を基とした2種類の代表的船型を決定し、拘束模型試験旋回試験、Z試験、逆スパイラル試験、斜航時の流場計測、船体表面圧力測定等を行い、また斜航時の流場に関して理論的な検討を行い、さらにデータベースの利用を図って、総合的にA、B両船型の操縦性能を解析、検討した。その結果、両船型の操縦性能の差とその原因がかなり明らかとなり、今後フレームライン等の船体形状表現方式を検討して、それとの関連から操縦性能を整理できる見通しを得た。





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更新日: 2020年3月21日

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