[1] 構造解析手法と算定精度の研究 a. モデル化による応答解析精度の研究 構造解析のモデル化による精度について研究するため、150型バルクキャリアの貨物艙1+1/2ホールド、全ホールドモデルによる鉱石隔艙積み状態のFEM解析を行い、昨年度のバラスト積み状態の結果と比較検討した。また、助板の座屈固有値、ハルガーダの最終強度解析法を検討した。以上を含め3年間の結果により、バルクキャリア船体構造解析のためのガイドラインをまとめた。 [2] 材料・工作の不整量と強度変化の研究 a. 材料・工作の品質管理の調査 追加事例として、目違いモデル、水圧を受ける初期不整のある船底外板の強度について、試解析を行った。以上の結果を含め、3年間の成果をまとめ今後の工作基準、品質管理のあり方について提言を行った。 [3] 設計条件と寿命管理の研究 a. 汎用データによる設計寿命の精度研究 ストリップ法による船体運動、波浪変動圧と船倉内バラスト水の変動圧力の計算結果を模型実験にて検証し、また大型バルクキャリアの船艙部肋骨下端の応力解析を行って、疲労強度推定法の指針をまとめた。 b. 模型実験による検証 船体構造の代表的な角まわし溶接継手試験片により、嵐モデルによる変動荷重疲労試験を行い、設計線図を作成し、線形累積被害則の適用法についてまとめた。 [4] 総合的な強度評価法の研究 a. 総合的強度評価法の検討 確率論による総合的強度評価の定量化について各種損傷モードのフォルトツリー解析を行い、また、原子炉、航空機の強度余裕の考え方も整理して、安全管理目標設定の指針をまとめた。 b.試解析による検証 総合的強度評価フローを検討し、各事象各破損経路の生起確率の試解析を行い、評価フローの妥当性を検証して管理目標定量化の方案について検討した。 c. 総合まとめ 3年間にわたる設計における解析法と精度、工作不整の強度への影響、運用による寿命管理の成果をまとめ、設計・工作・運用におけるバランスのとれた管理目標と信頼性の向上についての提案をおこなった。
■事業の成果