■事業の内容
(1) 計画の内容 九州西岸伊万里湾-佐世保-野母埼間の海域及び大村湾について2図、本州北西岸美保湾付近について1図並びに北海道石狩湾及び内浦湾(噴火湾)について2図の計5図に分ける基本案に基づき、操艇専門家と打合せ会を開催し、各図の包含区域、縮尺、図載内容について意見を聴取し、図の編集大網を決定した。 これらの諸要素に基づき、5図に関する海域の水路図誌及び関係資料について、海上保安庁及び地方自治体等から入手し、編集計画の資料とした。また、地域の特性を把握するため、佐世保地区及び小樽地区において打合せ会を開き、マリーナ等関係者から図載内容、要望等について意見を聴取し、更に検討のうえ採用資料を決定した。 一方、目標物、障害物、岸線等で確認を要するものについては、現地調査を実施した。 これらにより、各図の編集計画図を作成し、製図原図を調製のうえ印刷刊行した。 (2) 打合せ会 刊行計画を決めるため、基本的な打合せ会のほか、5図に関係する各地で図載内容等、細部にわたる打合せ会を下記のとおり行った。 日本水路協会(海図販売所) 4月13日 日本水路協会(本部) 4月23日 佐世保地区(佐世保港湾合同庁舎会議室) 6月 4日 小樽地区(小樽港湾合同庁舎会議室) 6月25日 (3) 現地調査 [1] 調査項目 各図図載の港湾・漁港の入港方法、避泊方法、著目標等並びにマリーナ施設の現状を調査し、対景写真を撮影した。 [2] 調査場所、期間及び人員 a. 平戸周辺(伊万里湾-佐世保) 佐世保・平戸 6月2日− 5日 2人 b. 大村湾(佐世保-野母埼・大村湾) 西彼杵・南風崎・時津 6月22日−25日 1人 c. 美保湾(美保湾及付近) 境港・米子 9月21日−24日 1人 d. 石狩湾(雄冬岬-小樽) 小樽 6月24日−26日 2人 浜益 6月21日、22日 1人 石狩新港 9月24日 1人 e. 内浦湾(恵山岬-室蘭) 砂原・伊達紋別・室蘭 7月 6日− 8日 1人 [3] 調査内容 入港、避泊時のコースの選定、障害物、漁具漁網標識の形態・位置・設置期間・魚種、目標物の特徴、対景写真の撮影、漁船操業の実態、マリーナの位置等 (4) ヨット・モータボート用参考図の作成配布 [1] 図名 a. 伊万里湾-佐世保 b. 佐世保-野母埼・大村湾 c. 美保湾及付近 d. 雄冬岬-小樽 e. 恵山岬-室蘭 [2] 規格、体裁 B3判、表・裏両面多色印刷、両面防水加工(表面マット加工、裏面ビニール加工) [3] 部数 各300枚 5図 計1,500枚 [4] 配布先 海上保安庁関係、海事関係団体、関係官公庁、地方自治体、 関係ヨット連盟、公共マリーナ、関係マリーナ会社等
■事業の成果
この参考図は、平戸周辺(伊万里湾-佐世保)、大村湾(佐世保-野母埼・大村湾)、美保湾(美保湾及付近)、石狩湾(雄冬岬-小樽)、及び内浦湾(恵山岬-室蘭)の5図に分け、表図にはヨット・モータボートの操舵に必要な目標、浅礁、航路標識、定置漁具等の情報を分かりやすく、詳細に記載し、裏図には主要港湾の拡大図等を記載して表図との関連をつけ、港湾の利用にも便利なようにしてある。 また、狭い艦内でも使いやすい小型のサイズで防水加工を施してある。 各艇がこれらの図を備えつけ、記載の情報を有効に利用して的確な操舵を行うことにより、海難防止に寄与することがきわめて大きいと思われる。
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