■事業の内容
(1) 実態調査、解析 航海時船内業務調査、出入港時船上作業調査、航海時作業動線調査、運航に関する乗組員要望調査を行い、試設計のための資料を作成した。 (2) 陸上支援のあり方の検討 機関室設備の保守整備、航海機器の陸上支援、塗装作業の省力化、船内食事の支援体制等について検討し、対応システムを策定した。 (3) 試設計 ワンマンコントロール操舵室機器配置及びその標準化、近代化船の航海時の安全性評価、離着棧設備の自動化、ハッチカバー開閉の自動化、機関部機器の遠隔監視の標準化、主機関A重油使用の決定、船員室の改善等を実施し、次の試設計図書を作成した。 1) 操舵室配置図 2) 一般配置図 3) 仕様書(抄) (4) 委員会の開催 内航船の近代化に関する研究委員会 3回
■事業の成果
本事業は、最も代表的な内航船である449GT型貨物船をモデルとして、作業の省力化、自動化及び陸上支援により航海時1名、離着棧時3名で操船可能な、少人数で運航する内航近代化船を試設計した。本船は、現在6名乗組の船に対して、乗組員作業量を約47%削減し、乗組員4名、予備員2名の場合、週40時間労働及び年間120日休暇を可能とした。 少人数運航時の航海の安全性についても、現在船に比べて、優れた性能を有することを確認した。 また、乗組員の居住設備については、若年者にも魅力あるスペース設備、及びインテリアを備え、従来の内航船の職場のイメージを一新するものとして、とりまとめた。 以上のような魅力ある内航船及び内航船の職場環境を提示し、海運関係者等に対し新しい内航船のイメージを向上させたことにより、内航船員の確保に寄与し、内航海運の安定化、並びに造船技術の振興、我が国造船業の発展に大きく貢献するものと思われる。
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