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「中型高速船の新需要船型の調査研究」の報告書

 事業名 中型高速船の新需要船型の調査研究
 団体名 日本中小型造船工業会 注目度注目度5


■事業の内容

(1) 新需要中型高速船の調査・設計
[1] 物流、港湾事情等の調査
 新潟港及び北海道運輸局管内主要港(小樽港・稚内港・釧路港・函館港)についてロシア船舶入港量、貨物の種類等の資料を収集・分析して、「中型高速船の新需要船型の設計指針」に取りまとめた。
[2] 新需要中型高速船の設計工作指針の編集
 4ヵ年の調査研究成果を整理解析し、新需要中型高速船を設計する上で必要な資料を指針に取りまとめるための編集を行い、「中型高速船の新需要船型の設計指針」を印刷・製本し、関係者等に送付した。
(2) 新需要中型高速船の推進性能の研究
 フルード数0.3程度を低燃費で航行する多軸船の模型船線図1隻を作成し、数値理論により船型解析を行い、曳航水槽で5.0m模型船1隻の水槽試験を行った。
 また、回流水槽で2.0m模型船4隻の船尾形状の相違による定性的な船尾流場計測を行った。
(3) 電算プログラム開発
 上部構造物(甲板室・居住区・操舵室等)の船体構造モデリングプログラムを作成し、昨年度作成したプログラム及びFEMによる振動解析プログラムと有機的に結合させた振動計算プログラムを作成し、プログラムを完成させた。
■事業の成果

経済の進展、多様化等に伴って変化してゆく船型について、物流機構、港湾事情、就航地域の経済事情及び就航する船舶の安全性、乗心地等の諸性能を調査し、このような変化に対応する新需要船型を建造できる技術を確立し、将来の新需要中型高速船型の建造にあたっての主要な技術的諸問題を究明して、設計指針を作成することによって我が国造船業の発展に寄与することを目的とした本事業は、平成元年度より着手し、4ヵ年計画が本年で完了し、以下事業成果を得た。
 本事業において新需要中型高速船型とは物流の迅速化、省力化あるいは内装の豪華さ、快適性、信頼性等を満たすとともに、船型がLpp=120m〜180m、Fn=0.3(Lpp=150m換算で約22kt)以上であるものと定義した。
 物流及び港湾事情等の調査として韓国(釜山潜及び仁川港)、中国(上海港)、台湾(基隆港及び高雄港)及びロシア(旧ソ連)極東地域港との流通を想定し、日本側の港を舞鶴港、博多港、鹿児島港及び新潟港を想定し、それぞれの港について湾岸事情、物流、将来計画等を調査(上海港、基隆港、高雄港及びロシア(旧ソ連)極東地域港は書面調査)した結果、ほとんどの港で21世紀を目指した港湾整備や建設工事を計画・実施しており、各港の港湾事情が整いつつあることが分かった。
 新需要中型高速船の設計では3船型の基本計画を行った。いずれの船型も今後予想される海上輸送のニーズ、船旅のデラックス化等に対応することができる。本計画では航行区域を東シナ海と限定し、近海国際航路としての設計を行ったが本計面船並びに諸条件による主要寸法等の変更によっては近年要望の高まる国内航路のモーダルシフトにも対応することが可能である。
 新需要中型高速船型の開発は、低燃費な中型高速船型を開発するために、標準船型Aから最終船型Gまで6船型の数値理論解析・回流・曳航水槽試験を実施した結果最終船型Gは標準船型Aに比べて11.5%(制動馬力で)馬力節減となり、スプリットスターン船型が馬力節減になることが分かった。プログラム開発に関しては、有限要素法(FEM)による振動解析プログラムの入カインターフェースとしての船体構造モデリングプログラムを、いわゆるOOA(Object Oriented Approach)手法を用いて、バルクキャリアの上部構造物(甲板室・居住区・操舵室等)について作成し、FEMプログラムと結合し、振動プログラムを完成させた。
 FEMプログラムのインターフェースとしては、現状ではCADからのデータの受渡しが一般的であるが、CADからのデータの受渡しではモデルの修正、変更等(例えばボットムロンジを追加する等)の作業が容易に行えない等の不都合があった。しかし、OOAの手法を用いることによって、モデルの作成、修正、変更が容易に行うことが出来るようになり、入力作業の軽減化が図れ、振動解析が手軽なものとなった。
 本プログラムが完成したことにより、振動簡易計算式による固有振動数の推定からFEMプログラムによる振動解析までの作業を設計初期段階に行えるようになり、中型船の振動対策に大いに役立つものと思われる。





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更新日: 2020年7月4日

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