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■事業の内容

[1] 舶用燃料油の実状調査
a. 製造・供給・積込過程調査
 米国、欧州、シンガポールにおける舶用燃料油の供給状況を延べ54社について調査した。
b. 購入状況およびコスト分析
 世界主要10港の燃料油サンプル84試料を分析、各性状・コストの調査を行った。
[2] 油性状と機関プラントの信頼性相関調査
a. 各プラント要素の腐食、磨耗、汚損等と不純物の相関
 燃料油成分のうち、機関プラントの信頼性への影響が大きい因子の特定調査を行い、そのうちCCAIと磨耗、腐食との相関の実験を行った。
b. 硫黄分と排エコ使用温度、腐食との相関
 硫黄分と排エコ温度、腐食との相関を運航データによる調査とともに、実験によって求めた。
[3] オプティマム燃料油仕様とコスト評価
a. オプティマム燃料油仕様策定
 [1]、[2]の調査、実験結果から使用燃料油性状と推進プラント信頼性向上率の相関を把握し、オプティマム燃料油仕様のあり方を調査し、仕様案を策定した。
b. 船内処理プラント設計及びコスト評価
 問題となる油性状パラメータ毎に船内処理システムを調査した。
■事業の成果

本研究は、益々低質化する舶用燃料油の製造・流通・供給体制及びそれらの性状、組成を調査・整理し、これらと機関プラントの障害との相関を把握し、より規格化された舶用燃料油が船外事前処理のうえ供給される体制の可能性を、現状の船内処理システムとのコスト比較によって追求することを目的とした2ケ年計画の初年度である。
 本年の研究成果を要約すると、以下の通りである。
◎ 世界12地域に亘る舶用燃料油供給の状況を、1990年、1991年の両年における、延べ54社(外航船のみ)に対する供給例において調査し、84試料の分析調査を行い、現時点における供給体制およびそれらの性状の全容を把握した。
◎ また一方において多くの文献、メーカー設計基準および運航実績調査等から、機関運転障害に関わる燃料油因子14項目を選び出し、障害との相関が特に高い7因子につき詳細検討を行った。また一部因子については実験を行い、相関度について検討を行った。
◎ 併行して、上記の供給現状、分析結果と障害相関度から、オプティマム舶用燃料油仕様作成作業を行った。





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