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■事業の内容

(1) シンガポールにおける舶用機械の技術セミナーの開催
[1] 名称  :舶用機械の新技術セミナー
Technical Seminar on New Tecbnologies in the Marine Industry
[2] 会期  :平成3年12月4日(水)〜5日(木) 2日間
[3] 開催地 :シンガポール共和国
[4] 会場  :SHANGRI-LA HOTEL SINGAPORE
〔シンガポール シャングリラ ホテル〕
[5] 主催  :社団法人 日本舶用工業会
[6] 協力機関:Economic Development Board(EDB)
〔シンガポール経済開発庁〕
Association of Singapore Marine Industries(ASMI)
〔シンガポール海事産業工業会〕
[7] 後援機関:JETRO,Singapore
〔日本貿易振興会 シンガポールセンター〕
[8] 講師・演題及び派遣期間:
○ 学識経験講師 2名
派遣期間  平成3年12月2日〜7日(6日間)
石原 康世 (日本鋼管(株) 特別顧問)
演題  :造船業の抱える諸問題
和田 隼夫 (石川島播磨重工業(株) 技師長)
演題  :21世紀を目指す船舶修理業
○ 業界講師  4名
派遣期間  平成3年12月2日〜7日(6日間)
板澤  宏 (かもめプロペラ(株) 代表取締役社長)
演題  :可変ピッチプロペラによる推進機関の合理化
岡  精一 (三菱化工機(株) 機器技術部主任)
演題  :無封水潤滑油処理システム
佐々木卓郎 (阪神内燃機工業(株)設計室課長補佐)
演題  :日本の内航船における低速4サイクル機関の省燃費・省人システム
福井  徹 (ダイハツディーゼル(株) 商品企画課課長)
演題  :高信頼性中速機関
○ 自主参加業界講師  8名
[9] 受講者:現地海事関係企業、政府機関、学校等の関係技術者270名
[10] パネル展示・カタログ配布参加会社:
○ パネル展示  13社 37枚
○ カタログ配布 13社
[11] 事務局派遣員:
○ 事前 1名(役員)
東島 良治(常務理事)
派遣期間:平成3年7月25日〜8月3日(10日間)
○ セミナー開催時 3名(役員1名、職員2名)
安藤 久司(専務理事)
派遣期問:平成3年12月2日〜12月7日(6日間)
東島 良治(常務理事)
派遣期間:平成3年11月27日〜12月11日(15日間)
津谷 拓夫(海外調査部員)
派遣期間:平成3年11月27日〜12月11日(15日間)
[12] 報告書:
○ 体裁   B5版、ワープロ原稿部分写真印刷・タイプ部分オフセット印刷
○ 配布先  会員、賛助会員等 150部
[13] 会議:
○ セミナー委員会  4回
○ 派遣講師打合せ会 3回
■事業の成果

近年叫ばれている国際協調の観点から、当業界が今後も発展していくために従来の輸出形態である製品輸出の量的増大から技術指導や国際分業を含めた質的転換へと移行を図ることが急務となっている。
 この手段として技術セミナーの開催は、特定の人間を対象に、各社の技術者が自社製品の技術面について視聴覚機材を用いて説明するもので、受講者は、その会社の最も新しい技術を習得できるとともに、不明な点についてはその場で質問し理解できるという利点がある。
 シンガポール造船業は、現在、船舶の修繕を中心に未曽有の活況を呈し、年間1,600隻・4,700万トンの船舶の修繕がなされており、政府および業界を挙げてその合理化の推進に務めているところである。このような背景の中で、本セミナーは、地元の造船業の発展の為に取り組んでいるEDB(経済開発庁)及びASMI(シンガポール海事産業工業会)の協力を得て開催され、我が国の優れた舶用機械の紹介と両国業界の交流を深めるうえで誠に時機を得たものとなり、極めて効果的であった。
 シンガポールの海事産業の売上は、1991年には、30億シンガポールドル(2,400億円)、対前年比33%の増加を記録したと発表されており、しかも向こう2〜3年は同レベルを維持することが予想されている。修繕船、新造船、コンバージョン(改造)、リグ建造および関連産業からなる海事産業は、シンガポールのGNPの3.7%を占め、同国の重要な産業となっている。特に、湾岸戦争により、タンカーの延命工事が増加すると共に、リグおよびサプライボートの建造・修繕が増加し、今後も益々増えることが見込まれている。
更に、シンガポールは地理的な条件が良く、1990年にはコンテナの取り扱い量が香港を抜いて世界一となった。また近隣諸国に比べると、インフラが整っており、政府が積極的に支援していること、価格に国際競争力があり、労働者の質が高い、納期が早いなどの理由により、同国の海事産業は、今後、成長が見込まれている。
 このようなシンガポール造船業の好況を背景に、今後、製品・部品の供給や技術協力の面で、日本との関係が、益々強化されていくことになり、当セミナーは非常に意義のある事業となった。





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