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■事業の内容

(1) 船舶排ガス分布状況調査
a. 大洋域用排ガス拡散モデルの作成
一般的拡散モデルを参考にして、大洋域用排ガス拡散モデルを作成した。
b. 船舶排ガス大洋域分布状況調査
 運輸省航海訓練所の青雲丸の協力を得て、本州太平洋岸の大洋域において海上微粒浮遊物質の分布状況、排ガス拡散に影響を与える混合層の高さ等について、洋上において実測を行った。
c. 大洋域用排ガス拡散モデルの検証
 大洋域における海上微粒浮遊物質の分布状況測定結果等を用いて、大洋域用拡散モデルの検証を行った。

(2) 船舶排ガス大気環境影響の解析
 船舶排ガス分布状況調査および船舶運行に伴う大気汚染物質の発生量調査結果に基づき、シミュレーション等により船舶運航が大気環境にもたらす影響を解析した。

(3) 大気汚染防止技術の検討課題の摘出
 昨年度に実施した大気汚染防止技術に関するアンケート調査結果に基づき、大気汚染防止技術として検討すべき課題を摘出した。

(4) 大気汚染防止技術検討課題に関する調査
 摘出した検討課題に関して、大気汚染防止の効果、熱効率への影響、経済的影響、大気汚染防止技術としての有効性等について、聞き取り調査を実施した。

(5) 技術開発課題の摘出
 船舶運航の大気環境へ及ぼす影響の防止技術については、燃料改善や脱流・脱硝装置の設置といった対策手法を、積極的に推進すべき技術開発課題として摘出した。

(6) 委員会の開催
委員会       3回
排出低減作業部会  3回
拡散評価作業部会  4回
■事業の成果

地球規模の環境問題については、アルシュサミット以降重要な課題となり、各国がその対策に取り組むよう求められている。海上交通についても研究開発を鋭意進めるべき時期にきており、船舶運航に起因する大気環境への影響についての総合的な調査研究の必要性が認識されているところである。
 本事業では、運輸省航海訓練所の青雲丸の協力を得て、本州太平洋岸の大洋域において海上微粒浮遊物質の分布状況、排ガス拡散に影響を与える混合層の高さ等について、洋上において実測し、大洋域用拡散モデルの検証を行い、これらから、シミュレーション等により船舶運航が大気環境にもたらす影響を解析した。また、昨年度に実施した大気汚染防止技術に関するアンケート調査結果に基づき、大気汚染防止技術として検討すべき課題として、大気汚染防止の効果、熱効率への影響、経済的影響、大気汚染防止技術としての有効性等を摘出し、これらについて、聞き取り調査を実施した。その結果、燃料改善や脱流脱硝装置の設置といった対策手法を、積極的に推進すべき技術開発課題として摘出した。これらにより、造船技術の振興及び我が国造船業の発展に大きく貢献するものと思料される。





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