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■事業の内容

(1) 故障状況の調査
 調査は、大手船社5社が運航している、自動化船隻を対象として調査票を配布し、運航中、停泊中における自動化船機器の故障状況について記入させ、回収した。
a. 調査項目
(a) 航海中又は仮停泊中等における機関室の無人化の状況
(b) 主機の自動停止、手動停止、自動減速、手動減速等の故障による運航への影響
(c) 亀裂、折損、切損、摩耗、変形、固着、閉塞等の故障の内容
(d) 振動、疲労、劣化、発熱等の故障の原因
(e) 修理、開放掃除、調整、自然復帰等の故障の処置
b. 調査結果の見直し
調査票の回収に応じ、調査実施状況を検討した。

(2) 評価・解析
 自動化船機器の故障状況調査の実施によって得られたデータの整理・集計結果に基づき、作業部会において主機重故障解析、発電プラント別故障率比較等、次の項目について解析を行い、船舶の自動化に関する基礎データを得た。
(解析項目等)
1. 警報故障データによる状況監視センサの評価について
2. FTA法による信頼性解析
3. 故障出現パターン及び定期保全の考え方
4. 調査データ集計表のまとめと解説
5. 船舶信頼性調査の10年間のまとめ
6. 船舶信頼性調査における各種解説について
7. 信頼性調査データの船級検査への適用の可能性について

(3) 委員会の開催
委員会   1回
作業部会  4回
■事業の成果

我が国における船舶の自動化は、航法、機関、通信等の広範な分野で進められ、現在係員11名による運航が可能な高度合理化船も実現している。しかしながら我が国海運界は、産業構造の変化、船員費の高騰等による国際競争力の低下という問題に直面しており、これまで以上に自動化、省力化を進めた超自動化船の開発が強く要請されている。このような状況の下で本調査事業により収集、解析された資料は、船舶の運航機器の信頼性、保全性の向上に資する基礎資料として、今後の自動化船をはじめ各種造船及び造船関連技術の発展に大きく貢献した。





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