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■事業の内容

(1) 舶用工業の生産のFA化に必要な先端的生産技術の調査研究
 舶用工業企業の生産体制の改善・強化策(FA化、CIM化等)について2カ年にわたり検討することとしており、初年度である本年は次の調査を行った。
[1] 各産業における先端的生産技術の導入状況
a 舶用工業および他産業520事業所に対して(a)事業所の概況、(b)自動化の状況、(c)コンピュータ化の状況、(d)今後の生産システムのあり方、等についてのアンケートを実施。
(舶用工業230事業所発送→109事業所回答、他産業290事業所発送→117事業所回答)
b 舶用工業および他産業(新潟鉄工所、村田機械、小松製作所等)の自動化工場を訪問し、自動化の状況を調査。
[2] 舶用工業への自動化の導入状況および導入上の問題点
 上記調査結果および取材等から、舶用工業での自動化の現況、計画状況、導入上の問題点、さらに他産業との比較等についての集計、分析を行った。
[3] 舶用工業の先端的生産技術の導入方策の策定
 舶用工業に適応したFA化、CIM化をケーススタディも含めて来年度目指しているため、舶用工業に参考となりうる他産業での先端的生産技術の事例を基に導入方策のとりまとめを行った。
(2) 舶用工業の作業環境等就労構造の改善推進方策等の調査研究
[1] 舶用工業における作業環境、就労状況の実態調査及び他産業との比較調査を行い、また外国人労働者の活用状況の検討を行う等、舶用工業における就労構造の改善推進のための調査研究を行った。
a 調査項目
○ 舶用工業の作業環境、就労状況等についての雇用実態調査及び他産業における雇用実態調査の比較調査による就労環境改善策の検討
○ 外国人労働者の活用状況
○ 作業環境等就労構造の改善推進方策の策定
[2] 経営基盤強化対策の指導説明会の開催
 中小企業を主体に経営基盤強化対策の指導説明会を開催した。
<広島地区>
場所  :広島ステーションホテル
参加人数:34名
講師  :(財)海事産業研究所  長 塚 誠 治  殿
「これからの造船及び舶用工業」
■事業の成果

(1) 舶用工業の生産のFA化に必要な先端的生産技術の調査研究
 現在、様々な業種で叫ばれている人材不足、労働時間の短縮は、今後、ますます深刻になりつつある。その対応策として、設備の自動化、生産技術の高度化、生産性の向上等があげられるが、多品種、少量生産が主となっている舶用工業にとって、これら対応策は、他業種に比らべ非常に難問である。
 しかし、経営の安定を考えた時に、ぜひとも進めなければならない事項である。今回取り上げた本調査研究は、2年度計画で実施することとしているが、本年度の成果である、舶用工業の実態、ならびに他産業での先端的生産技術(FA化、CIM化)の現況等は、舶用工業企業の自社の生産性を考え、将来計画を立案するうえで、寄与するところ大であり、業界の発展をめざすうえで、多くの示唆を与えることができた。

(2) 舶用工業の作業環境等就労構造の改善推進方策等の調査研究
 最近の造船需要の回復傾向に対して、造船業と密接不可分の関係にある舶用工業について人手不足、人材不足等雇用関係の面で企業経営を圧迫している。
 本事業は、このような状況に対応して作業環境等就労構造の改善方策を調査研究するとともに、その導入指導を進めることにより中小企業を主体としている業界の経営基盤の強化を図るために役立つことができた。





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