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■事業の内容

(1) 需要動向及び情報提供機関の現状についての補足調査
[1] 海の相談室の高頻度利用者5社に対して訪問調査を行い、利用形態、要望及び期待される提供サービス内容を把握した。これらの要望、期待に応えつつ将来的には小口ではあるが、海洋レジャー用途の大規模マーケットを対象とすることが需要の確保につながるものと判断される。
[2] 協会の事業計画の参考とするため
a. 米、英、仏、西独及びオランダの5カ国海外情報提供機関について資料提供依頼、既存資料により、組織、提供情報サービス内容、方法、取り扱い件数、情報項目、価格及び将来計画を調査し、まとめた。
b. 第3セクタ方式の情報提供機関5カ所について情報提供の内容、提供形態、出資者、利用者数及び利用料金等を訪問調査し、まとめた。
(2) 情報提供に関する法制面の調査
 関連する法制度について
[1] 著作権の定義、保護対象、協会が扱う情報の性質と著作権対策
[2] 提供データの刑事上、民事上の責任及び免責条項
[3] 料金設定の考え方
[4] オンライン電算機システムの問題点
 等について調査、整理を行った。
(3) 海洋情報の管理提供体制整備の基本方針策定
 協会の役割、業務内容、提供業務の短期及び長期構想、情報流通の方式、料金設定、事業計画及び事業規模等について検討し、方針としてまとめた。
(4) システムの概念設計
 策定された基本方針を踏まえて、協会が保有すべき電算機システムのハード、ソフト構成等の概念設計を行い、第1期の問い合わせ、資料収集及び現状業務の拡大のための最小限のシステムをまとめた。また、第2、3期についてもより本格的なシステムの概念設計を行った。
■事業の成果

船舶の安全運航・経済運航はもとより、海洋開発、海洋利用プロジェクト、海洋レジャー等、今日我が国における海洋情報への関心は極めて高い。
 このため、本事業では、日本海洋データセクター(JODC)を中核として蓄積されている膨大な海洋データの有効な活用を図るため、当協会が一般利用者を対象とした情報提供において整えるべき提供体制に関して、調査研究を行ったものである。
 本年度は3か年計画の2年度目として次の事業を行った。
(1) 需要動向及び情報提供機関の現状についての補足調査
(2) 情報提供に関する法制面の調査
(3) 海洋情報の管理提供体制整備の基本方針策定
(4) システムの概念設計
 需要動向としては、生データの提供が強く望まれていること、オンラインによるデータ検索や磁気媒体によるデータが期待されていること等が明らかになり、諸外国では国の機関が海洋情報提供に積極的に、また、きめ細かに取り組んでいることが明らかになった。
 法制面の調査では、データの責任や料金徴収に関してはほぼ問題なく、コンピュータシステムについても水路部と当協会の接続は可能であり、著作権に関しては注意を要するが、解決できる見通しとなった。
 基本方針では、水路部と当協会との役割分担を明確にし、当協会が取り扱う情報の種類・形態等の業務内容を定めた。流通方式としては、直接提供と一括提供の2方式をデータの種類によって使い分けること、また、利用料金には定価方式と会費方式と会費方式の併用が提案された。事業計画及び事業規模としては、短期と長期の見通しを策定した。更に、今後の課題として、当協会の組織整備、広報の強化等が具体的に提案された。





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