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■事業の内容

1. 防災情報の伝達機能強化方策に関する調査研究
(1) 研究内容
 地震、風水害等の大規模災害時に応急対策活動を行い、被害の軽減を図るため、行政機関と住民の間、行政機関相互間の災害情報、防災情報の伝達について、近年の災害事例に即した分析検討を行い、ハード及びソフトの両面を含めたシステムの機能強化方策の調査研究を行う。
(2) 研究方法
 本研究は、消防行政関係職員、学識経験者及び関連団体からなる「防災情報の伝達機能強化方策に関する調査研究委員会及び幹事会」を設置してすすめた。
(3) 報告書の作成及び配布
 研究委員会及び幹事会において、その結果として報告書をまとめ、A4版により400部を作成して、都道府県及び市町村等へ配布した。
2. 電気火災調査のための知識ベースに関する調査研究
(1) 研究内容
 火災原因調査においては、豊富な知識と経験が必要であり、特に電気火災では、電気機器の構造・配線等の専門知識も要求されるとともに、原因調査も困難であり、多大の時間を要するため、電気火災調査の知識を収集整理し調査の効率化・迅速化を支援する知識ベースの作成の調査研究を行う。
(2) 研究方法
 本研究は、消防機関関係者、学識経験者、関連会社からなる「電気火災調査のための知識ベースに関する調査研究委員会」を設置してすすめた。
(3) 報告書の作成及び配布
 研究委員会において、その成果として報告書をまとめ、A4版により300部を作成して都道府県及び消防本部等へ配布した。
■事業の成果

1. 防災情報の伝達機能強化方策に関する調査研究
(1) 近年の災害事例に関する調査・分析についての検討
 近年の各種災害事例における都道府県防災無線・市町村防災無線の運用状況、対処の状況等を明らかにし、その問題点及び運用上の対策を示した。
(2) 地方公共団体における防災情報伝達体制に関する調査・分析についての検討
 都道府県及び市町村における消防無線の普及状況、夜間等の連絡体制、災害発生時における活動体制の確保等について、アンケート結果により現状の防災情報伝達体制の分析を示した。
(3) 新たな情報収集伝達手段に関する調査についての検討
 現状の防災無線による情報伝達体制を向上させるために、新たな情報伝達手段として使用可能な手法をハード・ソフトの両面から検討し、その活用例及び課題を示した。
(4) 防災情報無線網の今後のあり方についての検討
 都道府県、市町村、消防本部及び関係機関における伝達体制の現状と今後のあり方について示唆するとともにニューメディアの利用による情報伝達体制の検討を示した。
(5) 災害情報の収集・集約・伝達方法の今後のあり方についての検討
 新たな情報収集伝達手段に関する技術として、画像伝送、衛星通信、データ通信の例を示して、今後のあり方について提言した。
2. 電気火災調査のための知識ベースに関する調査研究
 本研究では、出火原因調査の中で、特に専門知識を必要とする電気火災の調査に関して、調査を支援するためのシステムを知識ベースシステムとして開発するための指針を示した。さらに、いくつかの電気機器を対象として出火判定を行うためのプロトタイプシステムを構築し、システム化の有効性・可能性を示した。ここで構築したシステムは試作段階であるが電気火災調査の教育用としては利用できるものと思われる。





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