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■事業の内容

A. 地方自治体の行政効率の改善に関する調査研究
〔地方自治体における環境変化に対応する動的・戦略的定数管理のあり方に関する調査研究〕
[1] 調査項目
イ 自治体での実施計画、予算査定、定数配分の各計画体系の実態調査
ロ 厚木市における実施計画、予算査定、定数配分の各過程についてのヒアリング調査
ハ 厚木市の運動施設の管理業務、運動施設の貸出予約業務について上記ロの実験
ニ 厚子市が昭和62年度に実施した、ごみ収集回数の変更、自転車放置禁止区域の設定について、住民意識調査を実施し、事業成果を評価
[2] 調査方法
イ アンケート調査
ロ ヒアリング調査
[3] 調査対象
イ アンケート調査
 事業別予算システムについては都道府県、人口5万以上の市住民意識調査については厚木市民1,500人
ロ ヒアリング調査
 厚木市役所担当課
[4] 調査結果の概要
イ 都道府県と都市における事業別予算システムの実態及び問題点を明らかにし、今後の展開すべき方向について検討することができた。
ロ 厚木市をモデルとして、事業別予算システムの適用実験を試み、自治体の政策策定に有効であることが確認できた。
ハ また、今回の実験では、政策の事後的評価を住民意識調査データに基づいて行い、事業別予算システムの新しい適用分野を開拓することができた。
[5] 報告書の作成
イ 部数   B5版 300部
ロ 配布先  都道府県・指定市・人口10万以上の市
研究委員
地方自治体関係研究機関
自治省
地方6団体
研究協力団体(厚木市)
B. 地方自治体における研修技法等の開発研究
[1] 調査項目
イ 自治体における情報化への取り組みと人材育成の実態について調査
ロ 自治体の情報化に関する管理監督者へのアンケート調査
ハ 民間企業における情報化と人材育成についての調査
[2] 調査方法
イ アンケート調査
ロ ヒアリング調査
ハ 文献調査
[3] 調査対象
イ 松戸・越ヶ谷・野田の3市の課長及び係長約700人にアンケート調査
ロ 上記3市と与野市の4市においてヒアリング調査
[4] 調査結果の概要
イ 情報化の程度が高いほどその団体の人材の育成、研修、配置、活用等の人的条件の整備が進み、情報化の効果も十分認識されている。
ロ 情報化によって、事務処理の質と効率、職員の負担の軽減、住民サービスの向上は進んでいるが、政策意志決定への支援効果の面についてはまだ問題がある。
ハ したがって、情報化推進においては、全庁的な統一性と個別部門別のニーズを調整し、各情報化段階と課題に合った、情報化戦略を制度化し、その中で有機的に連関した研修など人材育成策を開発実施することが不可欠である。
[5] 報告書の作成
イ 部数   B5版 300部
ロ 配布先  都道府県・指定市・人口10万以上の市
研究委員
地方自治体関係研究機関
自治省
地方6団体
研究協力団体(世田谷区、越谷市)
C. 地方自治体における人材育成の諸方策に関する調査研究
〔地方自治体における女子職員の活用等に関する調査研究〕
[1] 調査項目
イ 自治体における女子職員の登用配置等の実態及び女子職員に対する諸方策についてアンケート調査
ロ イの事項について県、市の人事担当者からヒヤリング調査
ハ イの事項について民間企業の状況を文献調査
ニ 上記結果の集計分析に基づき、研究委員会で諸方策を検討し、提言
[2] 調査方法
イ アンケート調査
ロ ヒアリング調査
ハ 文献調査
[3] 調査対象
イ アンケート調査
 都道府県(47)、政令指定市(10)、66市、47町村、2特別区、計172団体
ロ ヒアリング調査
 県及び市の人事担当者
[4] 調査結果の概要
イ アンケート調査等によると、地方自治体では、女子職員の能力の有効活用の重要性は認識しているものの、その活用の実情には多くの問題がある。その理由としては、女子職員の層が薄い、活用に適した職場環境の創出が進んでいない、管理監督者の意識が低い等の点が明らかになった。
ロ 研究委員会では、これらの問題点を解決するためその具体的方策として、
(1) 女子職員の職域拡大の推進 (2) 女子職員の登用の推進
(3) 職場風土の整備      (4) 能力開発の推進
(5) 人事に関する制度の整備  (6) 女子職員の意識改革と活性化
が必要であると認識し、提言を報告書にまとめた。
[5] 報告書の作成
イ 部数   B5版 250部
ロ 配布先  都道府県
人口30万人以上の市、県庁所在市等
研究委員
地方自治体関係研究機関
自治省
地方6団体
D. 地方公務員に対する研修用の事例開発
[1] 調査項目
 研修用教材として新たに次の4事例の開発を行った。
イ 個人情報保護条例
ロ 保育所の現状と課題
ハ テクノポリスの建設
ニ 政策課題研究
研修用教材として次の2事例の更新を行った。
ホ 国際交流と地域経済活性化
へ 職場の活性化
[2] 調査方法
イ アンケート調査
ロ 地方自治体への実地調査(資料収集、ヒアリング)
ハ 各種文献調査
[3] 調査対象
イ 4県、12市、3町
[4] 内容
 上記6事例は、いずれも地方自治体が当面している具体的な行政課題であり、各問題についてそれぞれ2〜4団体の施策を調査、研究、分析、整理して研修用事例を開発した。課題発見、政策形成能力等の養成のための研修に用いる。
[5] 報告書の作成
イ 部数   B5版 300部
ロ 配布先  都道府県、政令市の研修機関等
E. 地方自治に関する資料の収集、整理、閲覧
 地方自治に関する図書資料等を収集し、整理・保存し、これらを公開、閲覧に供した。
本年度に収集した資料の内訳は次のとおりである。
イ レファレンスブック       116部
ロ 図書・雑誌類           526部
ハ 洋書類              66部
ニ 団体・個人の寄贈図書・資料   1,220部
F. 海外公務員研修実態調査・資料収集等
(1) アメリカ及びカナダ
[1] 調査先
アメリカ(連邦幹部研修所、イリノイ州人事局、カリフォルニア州立大ヘイワード校行政研究所)
カナダ(カナダ政府人事委員会)
[2] 調査員
図書選定委員会委員(自治大学校研究部長)
斉藤 誠治
地方自治研究資料センター主任研究員
斎藤 達三
[3] 調査日数
13日間(昭和63年5月4日〜5月16日)
[4] 調査結果の概要
 アメリカ及びカナダにおける国家公務員並びにアメリカ地方公務員(イリノイ州)の研修の実情、問題点等について、並びにカリフォルニア州立大ヘイワード校の行政研究所の行う行政コースの授業の実情、カリキュラム、重点目標について調査した。
 それぞれの資料を収集した。
[5] 報告書の作成
イ 部数   A5版 100部
ロ 配布先  地方自治関係団体
都道府県、指定市の職員研修所
(2) 東南アジア
[1] 調査先
インドネシア(エロパ<東南アジア自治体連合>執行理事会及び研究会議出席)
マレーシア(セランゴール州クラン郡庁)
[2] 調査員
事例開発研究委員会幹事(自治大学校教授)
岡本 全勝
[3] 調査日数
8日間(昭和63年9月30日〜10月7日)
[4] 調査結果の概要
 エロパ会議に出席し、「日本における公務員の人材育成」について報告し、地方行政の諸問題について討議した。
 またマレーシアのセランゴール州における地方行政(公務員制及び地域開発)について調査した。
 それぞれ資料を収集した。
■事業の成果

地方自治体の経営効率の向上、地方公務員の研修の充実強化の方策等について研究するとともに地方自治に関する内外の図書、資料を収集、保存、整理し、これを地方自治に関する研究者の閲覧に供したことは地方自治の発展に大きく寄与すると思われる。





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