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■事業の内容

(1) バス輸送の現況把握
 既存資科により、近年のバス輸送量の推移を把握するとともに、バス輸送の社会的環境変化の動向について整理した。
(2) バス輸送形態、車両施設等の動向把握
 バス輸送の形態を、サービス地域の特性や交通の目的によって大都市圏、地方圏等に分類して、その実態を整理するとともに、バス車両や停留所施設、案内情報システム等、施設整備の状況を把握した。
(3) バス輸送の活性化方策の動向把握
 バス輸送の活性化を目的とした各地の事例を、既存資科及びヒアリング調査により把握し、その背景、施策の内容、効果等について整理した。
(4) バス輸送に対する社会的ニーズの把握
 上記1.〜3.の調査結果から、地域交通においてバス輸送が果たしている役割を整理した。
 また、奈良市における通勤者アンケート調査結果並びに既存調査結果により、利用者からみたバス輸送の問題点、改善課題等を把握した。
(5) バス輸送の位置づけの検討
 社会的ニーズの動向や道路整備、鉄道等の公共交通機関の整備等、交通環境の変化・動向を踏まえたうえで、地域特性あるいは交通特性別にバス輸送の位置づけについて検討した。
(6) バス輸送の理想型の検討
 バス輸送に対するニーズと位置づけにもとづいて、バス輸送の理想型を交通特性別に検討した。
(7) バス輸送の理想型実現のための方策
 理想型バス輸送の実現のための方策について、ソフト・ハード両面から検討し、とりまとめた。
(8) 調査のまとめ、報告書の作成
 上記調査結果について委員会で検討のうえ、報告書を作成した。
■事業の成果

近畿におけるバス輸送は、都市部、地方部においても交通環境の変化により需要の減退を来たし、低迷をつづけているが、一方で、鉄道を補元してフィーダー輸送、幹線交通等の公共交通機関としての役割をもち、その占める位置づけは依然として重要である。
 このような状況の中で、本調査は、21世紀におけるバス輸送のあるべき姿を、社会的ニーズや交通環境の変化・動向を踏まえたうえで、バス輸送の位置づけを行うとともに、地域の特性に応じた理想型のバス輸送の実現可能性についてソフト・ハード両面から検討したものである。
 これが、今後のバス輸送のあるべき姿を追求するための基礎資料として有効に活用されるものと思われる。





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