
■事業の内容
A. 新世界気候区分図に関する調査・研究 -基礎資料の整備、検索提供システムの開発- 1) 研究対象 気象衛星観測の充実により世界のデータ空白地域のデータが得られるようになったため、これまで整備した全球気象解析基礎データとあわせ用いて世界気候区分図の調査・研究を行った。 2) 研究方法 極軌道気象衛星および静止気象衛星の可視および赤外放射計の観測データから得られる全球雲分布および地表面温度分布を統計処理し、気象衛星データによる世界気候区分を決める見通しが得られた。また気候区分図の作成についての基礎的な検討を行った。 3) 研究内容 [1] 気候区分の手法の検討。 [2] 気象衛星のデータを磁気テープで取得した。 [3] 気象衛星観測結果に及ぼす水蒸気や二酸化炭素の影響を推定して補正する方法を確立し、実測値に適用した。 [4] 気候区分の基礎データとして雲分布および地球表面温度の季節別の統計を行った。 [5] 世界気候区分図の図化の検討を行った。 4) 報告書の作成 本研究の成果を報告書にまとめ、関係官庁を初め産業関連機関に配布した。(A4判40部) B. 気象要素別・量的延長予測法の開発 1) 研究対象 気象要素の一週間先までの変動する機構を解析し、これを基礎とした総観的予報法の開発を行った。 2) 研究方法 北半球高層観測格子点値をもとに国内6地域内の日平均雲量、日降水量日最高・最低気温の地域平均値との相関的統計をおこないその実用性を確かめた。 3) 研究内容 [1] 量的延長予報に関する文献の収集と整理。 [2] 3年間の夏、冬について国内6地域の日平均雲量、日降水量、日最高・最低気温の地域平均値をPPM方式による重回帰式を作成し、総観的に解析した。 [3] [2]を参考にして、北半球高層観測格子点値を説明変数とし、地域平均の日平均雲量、日降水量、日最高・最低気温の地域平均値を目的変数とした総観的統計解析を行った。 [4] 上記の計算は電子計算機により処理をした。 4) 報告書の作成 本研究の成果を報告書にまとめ、関係官庁をはじめ、産業気象関連機関に配布した。(A4判100部) C. 大気中の浮遊物質の広域輸送に関する研究 1) 研究対象 広域の環境アセスメント手法の開発に資するために、広域の流跡線を対象とする研究を行った。 2) 研究内容 関西地域を実地形のモデル地域として、大阪に流入する流跡線を1年のスケールで求める手法を開発し、実際に流跡線を計算し、気象学的解析を行った。 3) 研究方法 [1] 文献および気象データ、地形データの収集、整理、解析。 [2] 地表風の推定計算とその分布図の作成。 [3] 流跡線の推定計算と作図 [4] 天気図と流跡線図との対応の研究。 [5] 単位面積当たりの流跡線通過確率の算出とまとめ。 4) 報告書の作成 本研究の成果を報告書にまとめ、関係官庁、地方自治体、電力会社等に配布した。(A4判150部) D. 雪国防災気象システムの研究開発 1) 研究対象 冬期日本海側の降雪、積雪による災害、障害を軽減するため降雪の短期予報手法の開発の研究を行った。 2) 研究の内容 気象レーダー、人工衛星、高層データ、地上データをもとにして、レーダーのデジタルデータと降雪現象の地域特性を明らかにし、降雪、積雪の短期予報法を開発した。 3) 研究方法 [1] データの収集と編集。 [2] 電子計算機処理によるデータ解析。 レーダーのデジタルデータと降雪現象の地域特性との解析。 [3] 実況監視システム(各レーダーサイトにおける監視可能範囲等)についての検討。 [4] 降雪事例を分類し、人工知能をとり入れ降雪・積雪の短期予報を開発した。 4) 報告書の作成 本研究の成果を報告書にまとめ、関係官庁、地方自治体、電力会社等に配布した。(A4判200部) E. 内湾の海上風と波浪の推算に関する研究 -海上風の実用推算モデルの開発- 1) 研究対象 近年の内湾の利活用の急速な進展に対応するため、地形効果を受けた内湾海上風の分布を推算するモデルの開発を対象とする研究を行った。 2) 研究内容 各種の海上風モデルを検討し、これに基づいて特に内湾の海上風を有効に推定できるモデルを開発した。東京湾を対象としてこのモデルの試験を行い、実用性を確かめた。 3) 調査方法 [1] 海上風モデルの検討 [2] 東京湾海上風モデルの開発 [3] 東京湾海上風の推算とモデルの評価 4) 報告書の作成 本研究の成果をとりまとめて報告書を作成し、関係官庁、船舶会社、港湾作業関係機関に配布した。 (A4判 200部)
■事業の成果
本事業により、気象庁にある国内、国外の気象資料を再検討し気象衛星データを加え、全世界の新気候区分を目的別に調査研究を行い。また、大気中の浮遊物質の広域輸送、雪国防災気象、内湾海上風と波浪などの重要課題および一週間先の気象要素別、量的延長予測法についても研究を実施したことは運輸、農・漁業、海洋、防災等国の重要施策に関連するもので、各分野の応用工学と結合して成果を期し、さらに公益の増進に資するものと思料される。
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