■事業の内容
(1) 舶用工業における事業多角化対策とその経営戦略 [1] 舶用工業における経営実態と多角化ニーズ調査 現状における舶用工業の経営の実態についてアンケート並びにヒアリング調査をするとともに今後の多角化あるいは、転換についてのニーズについて調査した。 [2] 舶用工業で多角化に活用すべき経営資源調査 舶用工業の固有の経営資源(技術力、人的能力、設備、情報体制等)についてアンケート並びにヒアリング調査し、多角化又は事業転換にあたって有効に活用すべきものについて検討した。 [3] 造船業及び他産業における動向調査 造船業及び加工組立製造業等舶用工業に類似する他産業における事業多角化あるいは転換の例について文献並びにヒアリング調査をふまえ、ケース・スタディを行い、新分野と所有している経営資源の関係について分析をして、舶用工業における多角化あるいは転換のための参考に資した。 [4] 新需要分野の調査 舶用工業の経営資源を有効に利用できる新需要分野あるいは新市場について洗い出しを行うとともに、その将来性について文献により調査した。 また、新事業で必要とする経営資源についての特性について検討した。 [5] 新分野への進出あるいは転換戦略のプロセスの策定 事業の多角化あるいは転換テーマの開発方法、それに対応する社内体制の整備、技術開発等の新分野へ参入するためのコンセプトを策定するとともに新事業開発テーマの選出とその評価基準のためのチェックリストを作成した。 [6] 報告書の作成 (a) 作成部数 300部 (b) 配布先 会員250部、運輸省15部、地舶工9部、その他26部 (2) 構造改善 第3次構造改善計画に参加している舶用工業企業等に対する指導を地方舶用工業会に業務を依頼して実施した。 [1] 依頼内容 第3次構造改善計画実施のためのグループ作り、事業計画の策定等、事業の円滑な推進を図るための指導。 [2] 依頼先 北海道舶用工業会・東北舶用工業会・新潟舶用工業会・関東舶用工業会 東海北陸舶用工業会・神戸造船関連工業会・四国舶用工業会 [3] 指導地区 北海道 浦河・根室・網走・紋別・留萌 東北 石巻・気仙沼・大船渡・釜石・宮古・八戸・青森・大畑・相馬・小名浜 新潟 酒田・秋田・上越・村上・両津 関東 勝浦・銚子・那珂湊 東海北陸 伏木・宇治山田・清水・蒲郡 神戸 南淡町・香住・家島・相生 四国 高松・徳島
■事業の成果
[1] 舶用工業における事業多角化対策とその経営戦略 舶用工業として事業多角化あるいは転換にあたって活用できる固有の経営資源と、それを有効に利用して進出できる新需要分野、あるいは新市場について調査するとともに新分野へ進出するための企業の経営戦略のプロセスの策定について研究し、特に中小企業の多い舶用工業の事業多角化対策に資すること大なるものがある。 [2] 構造改善 昭和55年度から中小企業近代化促進法に基づく中小造船業との協調型構造改善事業が5カ年計画で実施されたが、同事業の終了に伴ない、あらためて新しい視点で中小造船業とともに、それに関連する舶用工業の近代化を推進する必要が生じた。 このため本事業では、経営戦略型構造改善計画(昭和62〜67年度)に参加する舶用工業企業に対する指導を行い、経営基盤の強化と体質改善を積極的に促進した。 これによって、舶用工業企業等の今後の経営の安定化に寄与するところ大なるものがある。
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