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■事業の内容

海上災害防止センターと排出油防除等の作業の実施に関する契約を締結している契約防災措置実施者及び関係者に排出有害液体物質等の防除諸作業の実施方法を演練し、防災能力の向上を図るため次のとおり訓練を実施した。
(1) 排出油防除訓練
[1] 八幡浜地区
a. 海上防災訓練講習会
 八幡浜市役所会議室において、次の海上防災講習会を実施した。
(a) 開催年月日  昭和62年7月17日
(b) 講習内容
イ. 事故事例と教訓
(宇和島海上保安部 警備救難課長)
ロ. 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律について
(海上保安庁 海上防災課 計画調整係長)
ハ. 海上災害防止センターの業務について
(海上災害防止センター 防災部長)
ニ. 質疑応答
(c) 参加人員  60名
b. 海上防災訓練
 八幡浜地区大雨洪水警報発令のため宇和島港樺崎岸壁沖において、宇和島海上保安部指導のもとに、流出油事故が発生した場合を想定して、的確な対応と被害の局限を図るため、官民一体となって防災訓練を次の項目により実施した。
(a) 開催年月日  昭和62年7月18日
(b) 訓練項目
イ. 広報及び情報伝達訓練
ロ. 流出油の防除訓練
ハ. 流出油の回収、除去(乳化分散処理)
ニ. 船舶及び海面火災の消火、放水
ホ. 火災船の曳航、沖出し
(c) 参加船艇等
イ. 船艇         8隻
ロ. 人員        60名
ハ. オイルフェンス  160m
c. 海上防災訓練研究会
 宇和島海上保安部会議室において、宇和島海上保安部訓練総合指揮官から講評を得、訓練時の問題点及び事故発生時の留意事項等の検討、確認を実施した。
(a) 開催年月日  昭和62年7月18日
(b) 参加人員   20名
[2] 伊万里地区
a. 海上防災訓練講習会
 伊万里市山代町公民館会議室において、次の海上防災講習会を実施した。
(a) 開催年月日  昭和62年8月5日
(b) 講習内容
イ. 事故事例と教訓について
(唐津海上保安部 警備救難課長)
ロ. 海洋汚染及び海上災害に関する防止措置の概要
(海上保安庁 海上防災課 専門官)
ハ. 大型液化ガス積載船舶の災害防止について
(海上災害防止センター 主任調査研究員)
ニ. 流出油事故処理及び費用処理について
(海上災害防止センター 防災部 業務課員)
ホ. 質疑応答
(c) 参加人員   70名
b. 海上防災訓練
 唐津海上保安部指導のもと伊万里港楠久公共ふ頭2号岸壁前面海域において、タンカーからの流出油事故が発生した場合を想定し、油防除措置等の対応対策諸作業を官民が一体となって演練し、海上防災体制の充実強化を図るため、防災訓練を次の項目により実施した。
(a) 開催年月日  昭和62年8月6日
(b) 訓練項目
イ. 情報の伝達及び立上り
・ 情報の伝達
・ 対策本部の設置
・ 人員、資機材の動員
ロ. 船舶交通の制限及び安全対策
ハ. 流出油の防除
・ 流出油の拡散防止措置
・ 流出油の回収
・ 流出油の分散処理
ニ. 船舶火災の消火
・ 延焼の防止
・ 火災船の消火
(c) 参加船艇等
イ. 船艇       10隻
ロ. 車両        3台
ハ. 人員       80名
ニ. オイルフェンス  220m
c. 海上防災訓練研究会
 伊万里市山代町公民館会議室において、唐津海上保安部訓練指揮官から講評を得、訓練時の問題点の検討を行い、事故発生時の留意事項等の確認を実施した。
(a) 開催年月日  昭和62年8月6日
(b) 参加人員   55名
[3] 鳥羽地区
a. 海上防災訓練講習会
 ちどり大会議室において、次の海上防災講習会を実施した。
(a) 開催年月日  昭和62年8月31日
(b) 講習内容
イ. 事故事例と教訓
(鳥羽海上保安部 警備救難課長)
ロ. 海上災害防止センターの業務について
(海上災害防止センター 防災部長)
ハ. 油防除資機材の性能及び取扱い
(海上災害防止センター 防災部 業務係長)
ニ. 質疑応答
(c) 参加人員   80名
b. 海上防災訓練
 鳥羽海上保安部指導のもとに、鳥羽港沖合において、フェリーの横転事故が発生した場合を想定し、官民一体となって旅客船事故に対する乗客の救助措置の演練及び流出油防除等技術の向上並びに参加機関相互の効果的な協力体制を確立することにより、救難防災体制の充実強化を図るため、総合防災訓練を次の項目により実施した。
(a) 開催年月日  昭和62年9月1日
(b) 訓練項目
イ. 情報伝達
ロ. 事故船舶内における避難・誘導
ハ. 海上脱出漂流者救助
ニ. 転覆船の残留生存者調査
ホ. 沈没防止及び残留生存者救出
ヘ. 流出油の拡散防止及び回収
ト. 航空機による負傷者の吊り上げ及び緊急輸送
(c) 参加船艇等
イ. 船艇        17隻
ロ. 航空機       1機
ハ. 人員       150名
ニ. オイルフェンス  600m
c. 海上防災訓練研究会
 ちどり大会議室において、鳥羽海上保安部訓練調整本部長から講評を得、訓練時の問題点の検討を行い、事故発生時の留意事項等の確認を実施した。
(a) 開催年月日  昭和62年9月1日
(b) 参加人員   50名
[4] 川内地区
a. 海上防災訓練講習会
 川内市役所第一会議室において、次の海上防災講習会を実施した。
(a) 開催年月日  昭和62年9月16日
(b) 講習内容
イ. 危険物の災害防止について
(海上災害防止センター 調査役)
ロ. 海上災害防止センター業務説明等
(海上災害防止センター 防災部 業務係長)
ハ. 事故事例と教訓
(串木野海上保安部 警備救難課 専門官)
ニ. 質疑応答
(c) 参加人員   80名
b. 海上防災訓練
 串木野海上保安部指導のもと、川内港 九州電力(株)川内発電所専用ドルフィン桟橋付近海域において、タンカー事故による大量の油流出と船舶火災が発生した場合を想定し、防災行政機関・団体等官民一体となって災害を局限するため必要な諸作業の手法を演練し、海上防災体制の充実強化を図るため、防災訓練を次の項目により実施した。
(a) 開催年月日  昭和62年9月17日
(b) 訓練項目
イ. 情報の伝達と早期立上り
ロ. 航泊船舶及び付近住民への安全措置
ハ. 人員資機材の動員及び輸送
ニ. 流出油の拡散防止及び回収処理
ホ. 負傷者の救出
ヘ. 船舶火災の消火
(c) 参加船艇等
イ. 船艇         17隻
ロ. 航空機        1機
ハ. 車両         10台
ニ. 人員        200名
ホ. オイルフェンス  1,360m
c. 海上防災訓練研究会
 九州電力(株)川内発電所会議室において、串木野海上保安部訓練指揮官から講評を得、訓練時の問題点及び事故発生時の留意事項等を検討、確認を実施した。
(a) 開催年月日  昭和62年9月17日
(b) 参加人員   40名
[5] 留萌地区
a. 海上防災訓練講習会
 留萌地域消費生活センターにおいて、次の海上防災講習会を実施した。
(a) 開催年月日  昭和62年10月6日
(b) 講習内容
イ. 事故事例と教訓について
(留萌海上保安部 警備救難課長)
ロ. 油処理剤の空中散布について
(海上災害防止センター 調査研究員)
ハ. 流出油事故処理及び費用処理について
(海上災害防止センター 防災部 業務課員)
ニ. 質疑応答
(c) 参加人員   70名
b. 海上防災訓練
 留萌海上保安部指導のもと留萌港第1区全面海域において、タンカー事故の発生時における的確な対応と被害の局限を図るため、官民一体となって流出油の防除等の諸作業を演練し、海上防災体制の充実強化を目的とした防災訓練を次の項目により実施した。
(a) 開催年月日  昭和62年10月7日
(b) 訓練項目
イ. 事故発生時情報の伝達
ロ. 人員、船艇、資機材等の動員
ハ. オイルフェンスの展張等流出油の防除
ニ. 事故船の消火
ホ. 負傷者及び海中転落者の救出
ヘ. 事故船の曳航、沖出し
(c) 参加船艇等
イ. 船艇        20隻
ロ. 航空機       1機
ハ. 車両        5台
ニ. 人員       150名
ホ. オイルフェンス  500m
c. 海上防災訓練研究会
 留萌港湾合同庁舎2階会議室において、留萌海上保安部訓練総合指揮官から講評を得、訓練時の問題点及び事故発生時の留意事項等の検討、確認を実施した。
(a) 開催年月日  昭和62年10月7日
(b) 参加人員   30名
[6] 船川地区
a. 海上防災訓練講習会
 秋田港湾労働者福祉センターにおいて、次の海上防災講習会を実施した。
(a) 開催年月日  昭和62年10月14日
(b) 講習内容
イ. 事故事例と教訓
(秋田海上保安部 警備救難課長)
ロ. 海上災害防止センターの調査研究について
(海上災害防止センター 総務部 調査役)
ハ. 海上災害防止センター業務説明等
(海上災害防止センター 防災部 業務係長)
ニ. 質疑応答
(c) 参加人員   40名
b. 海上防災訓練
 秋田海上保安部指導のもと秋田船川港船川区7,000トン岸壁付近海域において、海上に大量の油が流出した場合に、これの拡散を防止し、すみやかに流出油を回収、除去して被害を局限化するとともに、船舶火災等が発生した場合を想定して関係機関が協力し、海陸一体となった消火活動及び人命救助活動を演練し、海上防災体制の充実化を図るため、防災訓練を次の項目により実施した。
(a) 開催年月日  昭和62年10月15日
(b) 訓練項目
イ. 情報伝達訓練
ロ. 流出油の拡散防止
ハ. 流出油の回収、除去
ニ. 船舶の曳航、沖出し
ホ. 人命救助
ヘ. 火災船消火
(c) 参加船艇等
イ. 船艇        17隻
ロ. 航空機       2機
ハ. 車両        5台
ニ. 人員       150名
ホ. オイルフェンス  700m
c. 海上防災訓練研究会
 日本鉱業(株)船川製油所 日鉱クラブにおいて、秋田海上保安部総合指揮官から講評を得、訓練時の問題点の検討を行い、事故発生時の留意事項等の確認を実施した。
(a) 開催年月日  昭和62年10月15日
(b) 参加人員   30名

(2) 排出有害液体物質等防除訓練
[1] 横浜地区
a. 海上防災訓練講習会
 横浜市港湾労働会館大会議室において、次の海上防災講習会を実施した。
(a) 開催年月日  昭和62年7月28日
(b) 講習内容
イ. 有害液体物質の現地状況について
(横浜海上保安部 警備救難課長)
ロ. 有害液体物質等について
(海上災害防止センター 総務部 調査役)
ハ. 有害液体物質の防除について
(海上災害防止センター 防災訓練所 主任教官)
ニ. スライド「有害液体物質等に対する油ゲル化剤の効果」
ホ. 質疑応答
(c) 参加人員   130名
b. 海上防災訓練機材取扱い講習
 横浜海上保安部会議室において、海上災害防止センター防災訓練所教官により、有害液体物質等防除作業出動機材(作業用保護服、陽圧式ライフゼム、防毒マスク、可燃性ガス測定器、酸素濃度測定器、ガス検知器)の取扱い説明及び装着等取扱い講習を実施した。
(a) 開催年月日  昭和62年7月29日
(b) 参加人員   40名
c. 海上防災訓練
 横浜海上保安部指導のもとに、横浜市金沢区幸浦東方海域において、有害液体物質等の海上排出事故を想定し、官民一体となって二次災害を防御しつつ、的確な海上災害の拡大防止のための応急諸作業を演練し、防災能力の向上を図るため、防災訓練を次の項目により実施した。
(a) 開催年月日  昭和62年7月29日
(b) 訓練項目
イ. 情報伝達訓練
・ 付近航行船に対する安全措置
ロ. 排出有害液体物質等防除訓練
・ ガス濃度調査
・ オイルフェンス展張(1次、2次、3次)
・ ゲル化剤等の散布、回収、放水による蒸散促進
ハ. 火災消火訓練
(c) 参加船艇等
イ. 船艇        15隻
ロ. 人員       150名
ハ. オイルフェンス  500m
d. 海上防災訓練研究会
 横浜海上保安部会議室において、横浜海上保安部訓練指揮官から講評を得、訓練時及び事故発生時における問題点及び留意事項等の検討、確認を実施した。
(a) 開催年月日  昭和62年7月29日
(b) 参加人員   40名
[2] 水島地区
a. 海上防災訓練講習会
 水島勤労福祉センター会議室において、次の海上防災講習会を実施した。
(a) 開催年月日  昭和62年11月9日
(b) 講習内容
イ. 有害液体物質の現状について
(水島海上保安部 警備救難課長)
ロ. 海上災害の現状と防災対策について
(海上保安庁 海上防災課 企画係)
ハ. 有害液体物質等について
(海上災害防止センター 総務部 調査役)
ニ. 有害液体物質等排出事故への対応
(海上災害防止センター 防災部 業務課員)
ホ. 有害液体物質に対する油ゲル化剤の処理実験
((株)東邦環境サービス)
ヘ. 質疑応答
(c) 参加人員   120名
b. 海上防災訓練
 水島海上保安部指導のもとに、水島港内 旭化成工業C7桟橋沖合海域において、ケミカルタンカーの事故発生に備え、ケミカルタンカーから有害液体物質等が流出した場合を想定し、流出有害液体物質等の防除に必要な専門的な知識及び技術等を習得するとともに、官民一体となって、二次災害を防御しつつ、海上災害の拡大防止のための的確な応急作業を演練することにより、防災能力の向上と防災意識の高揚を図るため、防災訓練を次の項目により実施した。
(a) 開催年月日  昭和62年11月10日
(b) 訓練項目
イ. 情報伝達及び初動訓練
ロ. ガス濃度調査
ハ. 流出有害液体物質の防除訓練
・ オイルフェンス展張
・ ゲル化剤等の散布、回収、放水による蒸散促進
ニ. 人命救助訓練
ホ. 船舶火災消火訓練
ヘ. 放水操練
(c) 参加船艇等
イ. 船艇        26隻
ロ. 車両        5台
ハ. 人員       250名
ニ. オイルフェンス  950m
c. 海上防災訓練研究会
 水島港湾合同庁舎4階会議室において、水島海上保安部訓練指揮官から講評を得、訓練時及び事故発生時における問題点及び留意事項等の検討、確認を実施した。
(a) 開催年月日  昭和62年11月10日
(b) 参加人員   40名
[3] 神戸地区
a. 海上防災訓練講習会
 神戸第二地方合同庁舎 第一会議室において、次の海上防災講習会を実施した。
(a) 開催年月日  昭和62年11月25日
(b) 講習内容
イ. 有害液体物質等防除作業出動機材取扱い説明
(海上災害防止センター 防災訓練所 教官)
ロ. 有害液体物質等の事故事例と教訓
(神戸海上保安部 警備救難課長)
ハ. 有害液体物質等について
(キソー化学工業(株) 代表取締役社長)
ニ. 有害液体物質等排出事故への対応
(海上災害防止センター 防災部 業務課長)
ホ. 油ゲル化剤処理テスト
(新日本理科化工業(株))
(c)参加人員   250名
b. 海上防災訓練
 神戸海上保安部指導のもとに、神戸港第7防波堤西灯台沖合においてケミカルタンカーの事故発生に備え、ケミカルタンカーから有害液体物質等が流出した場合を想定し、流出有害液体物質等の防除に必要な専門的知識及び技術等を習得すると共に、官民一体となって二次災害を防御しつつ、海上災害の拡大防止のための的確な応急諸作業を演練することにより、防災能力の向上と防災意識の高揚を図るため、防災訓練を次の項目により実施した。
(a) 開催年月日  昭和62年11月26日
(b) 訓練項目
イ. 情報伝達及び通信運用
ロ. 防災活動の総合調整
ハ. 航行船舶に対する安全措置
ニ. 流出有害液体物質等の防除措置
ホ. 船舶火災の消火
ヘ. 負傷者の救出
ト. 展示放水
(c) 参加船艇等
イ. 船艇        21隻
ロ. 航空機       1機
ハ. 人員       170名
ニ. オイルフェンス  600m
c. 海上防災訓練研究会
 神戸第二地方合同庁舎 第二会議室において、神戸海上保安部訓練統裁官から講評を得、訓練時及び事故発生時における問題点及び留意事項等の検討、確認を実施した。
(a) 開催年月日  昭和62年11月26日
(b) 参加人員   50名
■事業の成果

講習会及び実施訓練には、各地区の契約防災措置実施者は勿論、地方公共団体、石油関連企業等地元関係者が多数参加したことにより、地域全体の防災能力の向上及び防災意識の高揚を図ることができた。
 又、研究会においては、疑問点の質疑応答が行われ、各地とも地区の特殊性に応じた工夫が必要であることを理解するとともに訓練結果を踏まえて、防災体制確立のため参加機関が資機材の整備強化、資機材使用上の応用技術習得等、将来の改善についての努力を続けてゆくことが約束される等、今後海上災害防止センターが実際の事故で出動する際、各関係機関との協力体制等が確立することができたことは、海難防止に資するところ大なるものがある。





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