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■事業の内容

下記の国際会議に合計6名の代表者を出席させ、わが国の造船各分野における技術を紹介し、あわせて海外の最新の情報を収集し、報告を行った。
(1) 国際試験水槽会議・操縦性技術委員会出席
[1] 出席者   藤野 正隆(東京大学教授)
[2] 開催場所  国立ローマ水槽(イタリア、ローマ)
[3] 開催期日  昭和61年6月10日〜12日
[4] 主要議事  出席者は8名で、主な議事は以下のとおりであった。
〇 Committee Report(技術委員会報告)原稿の審議
○ 第18回ITTC本会議への操縦性技術委員会のRecommendation(勧告文)案の策定
○ 操縦性に関する国際集会・研究動向の情報交換
○ その他

(2) 国際試験水槽会議・馬力性能技術委員会出席
[1] 出席者   池畑 光尚(横浜国立大学教授)
[2] 開催場所  カリフォルニア大学(米国バークレー)
[3] 開催期日  7月21日・22日
[4] 主要議事  出席者は谷林座長以下8名で、主な議事は以下のとおりであった。
1978 ITTC Performance Prediction Method,Hull Roughness and Form Factor,New Testing Method and Analysis of Data,Hull Propulsor Combination,Propeller Characteristics and Propulsion Factors,Service Performance,Propoller Rough-ness,High Speed Craft,Shallow Water Effect,Different Results from Different Institutions,Unusual Results from Model-Ship Correlation,Wind and Curent以上の項目についての資料について検討討論を行い、最後にまとめてCompilation of Report to 18th ITTC について審議した。次回は62年1月12日〜14日と決め、各自の分担項目についてReport Draftを持ち寄り、Reportの作成を行うことになった。

(3) 国際船舶海洋構造会議・理事会出席
[1] 出席者   山本 善之(東京電気大学教授)
[2] 開催場所  ベデック市(デンマーク)
[3] 開催規日  9月11日・12日
[4] 主要議事  出席者は13名で、主な議事は以下のとおりであった。
○ 前回議事録の承認
○ 技術委員会報告のガイドラインの予定頁を決定
○ 報告書記述要領の改訂
○ 委員名簿の確認
〇 1988年本会議のプログラムの検討
〇 本国際会議の改革に関する意見についての検討
○ 本会議論文集の商業出版に関する検討
〇 次次回本会議(1991年)開催地の検討
○ 次回理事会は1987年6月末にデンマークかノルウェーで開催する。

(4) 国際船舶海洋構造会議・技術委員長合同会議および疲労・破壊技術委員会出席
[1] 出席者   町田 進(東京大学教授)
[2] 開催場所  ロンドン(英国)
[3] 開催期日  9月11日・12日・15日
[4] 主要議事  技術委員長合同会議には15名出席し、各委員会の進捗状況・新委員会の活動方針・機構改革による各委員会の取扱い事項の重複に関する調整等が行われた。
 疲労・破壊委員会は8名が出席し、主として委員会報告内容の構成について討議した。次回は来年6月ノルウェーで開催予定。

(5) 国際試験水槽会議・耐航性技術委員会出席
[1] 出席者   大楠 丹(九州大学教授)
[2] 開催場所  パリ市(フランス)
[3] 開催期日  10月1日〜3日
[4] 主要議事  出席者は9名で主な議事は下記のとおりである。
〇 前回委員会での問題点とその後の経過報告:超音波波高計の米国論文は未入手。Seakeeping Criteria and Voluntary Speed Lossに関連する細目等の論文は入手した。Tank wall effectについては新情報なし。
〇 他技術委員会との関係:High Speed CommitteeからのNon-Iinearityについての質問はパリ水槽の結果を入れて返事する。Ocean environmentに関する章を入れる場所をOcean Eng.Committeeと話し合う。
〇 S175比較実験について:大楠教授提案のpreliminaryな表にもとづいて議論し、規則波中の実験結果についてまとめることになった。
〇 Committee Report原稿に関する討議:論文で特に長い章は短縮すること。文献引用の方法について。
○ 次回委員会は昭和62年1月27〜29日に英国ハスラー水槽で開催予定とする。

(6) 国際試験水槽会議抵抗・流れ技術委員会出席
[1] 出席者   梶谷  尚(東京大学教授)
[2] 開催場所  ドイスブルグ(西独)
[3] 開催期日  昭和62年1月14日〜16日
[4] 主要議事  出席者は8名全員で、主な議事は下記のとおりである。
〇 神戸で開催される第18回国際試験水槽会議本会議のための技術報告書(プロシーディンクスVol.1.に掲載)の原稿作成。討議・修正を行って編集を完了した。主な項目は1.総論、2.国際試験水槽会議にとって重要な研究・技術開発のレビュー、3.結論と勧告から成る。
〇 2.は次のように分かれる。
 2a.ITTC共同実験(まとめを梶谷教授が担当)、2b.粘性流、2c.自由表面の流れ、2b.トピックス(付加物廻りの流れ・抵抗、制限水路問題、実験技術の進歩)
〇 最終原稿案は委員長・幹事が中心となって印刷用原稿に整理し、3月15日までにITTC Executive Committeeに届ける。
■事業の成果

国際試験水槽会議本会議がわが国(神戸)において21年ぶりに開催されることとなり、その前提として本事業では国際試験水槽会議の理事会および技術委員会に計4名、国際船舶海洋構造の理事会および技術委員会に2名、合計6名を本会代表として派遣することができた。
 これらの国際会議は既に長い歴史を有し、時代に応じた最新技術および研究成果を集大成してきたが、最近では船舶のみならず海洋工学の方面にもその領域が拡大してその構成が大幅に変更している。その最新情報はわが国の研究者・技術者を刺激し、常にこの方面の世界に対する指導的立場を確保するに役立ち、ひいては日本造船の進歩に貢献することができる。





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