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■事業の内容

相模湾を3図に分ける基本案に基づき、操艇専門家と打合せ会を開催し、各回の包含区域、縮尺、図載内容について意見を聴取し、図の編集大綱を決定した。
 これらの諸要素に基づき、3図の各回について関係する海域の水路図誌及び関係資料について海上保安庁及び地方自治体から貸与を受け、編集計画の資料とした。また、地域の特性を把握するため、葉山及び伊東地区において打合せ会を開き、図域内容について意見を聴取し、さらに検討のうえ、採用資料を決定した。
 一方、目標物、障害物、岸線、地形等で確認を要するものについては、現地調査を実施した。
 これらにより、各図について編集計画図を作成し、製図原図調製のうえ印刷刊行した。
(1) 現地調査
[1] 調査項目
 各図図載の港湾・漁港の入港方法、避泊方法、障害物、著目標等ならびにマリーナの施設の現状を調査し、対景写真を撮影した。
[2] 調査場所及び期間
a. 相模湾その1(城ケ島-熱海)
三崎、小網代、葉山、佐島    6月20日〜22日
大磯、二宮、小田原       9月 2日〜 6日
真鶴、湯河原、早川       9月12日〜16日
平塚、三崎口          10月 7日〜 9日
小田原、真鶴、稲取       10月14日〜17日
三崎、長者ケ崎、逗子、鎌倉   11月 5日〜 6日
b. 相模湾その2(熱海-下田)
下田、河津浜          8月21日〜23日
稲取、白田、熱川、大川     9月 9日〜13日
伊東、字佐見、川奈、富戸    9月24日〜28日
網代、熱海、初島        9月24日〜28日
c. 相模湾その3(城ケ島-大島)
大島、新島、式根島       10月28日〜31日
[3] 調査内容
 入港、避泊時のコースの選定、障害物、漁具漁網標識の形態・位置・設置期間・魚種、目標物の特徴、対景図の作成、漁船操業の実態、マリーナの設備全般。

(2) ヨット・モータボート用参考図の作成配布
[1] 図名
a. 城ケ島-熱海
b. 熱海-下田
c. 城ケ島-大島
[2] 規格、体裁
 B3判、表・裏両面多色印刷
 両面防水加工(表面マット加工、裏面ビニール加工)
[3] 部数
 各300枚 3図 計900枚
[4] 配布先
 海上保安庁関係、海事関係団体、関係官公庁、地方自治体、港湾水産関係、関係ヨット連盟、公共マリーナ、関係マリーナ会社等
■事業の成果

この参考図は、ヨット・モータボートの操舵に必要な目標、浅礁、障害物、通峡航路、避泊地等の情報をわかり易く、しかも詳細に網羅し、狭い艇内でも使い易く、小型で防水加工を施したものである。
 その対象を相模湾の3図に分け、裏図には各々の主要海域の俯瞰写真、対景写真を記載し、表図との関連をつけ、実物との対照に便ならしめている。
 各艇がこれらの図を備えつけ、的確な操舵を行うことにより、海難防止に寄与するところ大なるものがある。





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