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■事業の内容

(1) 海図編集サブシステムの研究
 海図データベースから海図数値情報の抽出、データ形式変換、修正及び編集処理の方式を研究した。
 海図数値情報の抽出条件は、抽出範囲を絞り、重なりデータの取捨選択が一括処理できる方式が最適であると決定した。
 データ形式変換は機能的に2分割し、大型電算処理及び小型電算処理に適する形式とした。
 修正及び編集処理は、一度に表示できる範囲で取扱うこととし、データの選択、修正及び編集を会話型で実行できる方式を決定した。
(2) 数値情報処理プログラム開発
 海図編集サブシステムの研究を受け、次の処理プログラム2種を開発し、試験的運用により所期の成果を得たことを確認した。
[1] 数値情報抽出プログラム
 海図データベースより、数値化データ及び海図情報を指示により海図毎に抽出し、位置ファイルへ出力する。
[2] データ形式変換プログラム
 抽出済位置ファイルの座標変換及びメッシュの並び順の変換を行い、修正、編集用中間ファイルへ出力する。
(3) 編集処理プログラム開発
 海図編集サブシステムの研究を受け、次の処理プログラム2種を開発し、試験的運用により所期の成果を得たことを確認した。
[1] 海図データ表示プログラム
 中間ファイルを入力し、グラフィックディスプレー上に表示し、拡大、縮小、範囲の指示、表示区域の移動ができる。
[2] 海図データ修正編集プログラム
 グラフィックディスプレー上の海図データについて任意の指示範位の切り出し、組合せ及びデータの修正ができ、結果を編集ファイルに登録できる。(2)(3)とも使用言語はFORTRAN及びCOBOL。使用電算機はACOS650及びMS135である。
■事業の成果

海図作成の自動化について研究を進め、既存の大型電算機、周辺装置の機能の確認を行い、グラフィックディスプレーを中心とした記号修正装置等を活用する海図編集サブシステムを研究し、海図データベースから海図データの抽出、データ形式の変換、データの表示、修正及び編集処理プログラムの計4種を開発し、それぞれのプログラムは、備讃瀬戸をモデル海域とした実際の海図データを用いて試験的運用を行し、所期の機能を有し、成果が得られることを確認した。
 以上の結果、既存の装置が会話型海図サブシステムとして基礎的な機能を備えたことになり、より広範囲な海図データの数値化とそれらの海図データベースへの登録作業を進め、効率的な海図編集作業の有力な手段として早急に実用に供し、速やかな海図の提供を図り、海難防止に寄与することが期待される。





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