■事業の内容
1. ボランティア思想の普及活動 イ) パンフレット“健康と福祉のボランティアのおすすめ”を利用して、社会福祉協議会、ボランティアセンター、ボランティアコーナー、当センターの会員等を対象にPRするとともに、日野原理事長も各地講演会等でボランティア思想の普及に努力した。 ロ) 機関誌「教育医療」を活用してボランティアの活動状況等を紹介するとともに、ボランティア講座受講生の勧誘を行った。 ハ) 講演会の開催 ボランティア思想普及のため下記の通り講演会を2回行った。 (1) 日時 ;7月16日 場所 ;麹町会館大ホール テーマ;外国のホスピスに学んで今後の日本のホスピス運動を考える。 講師・演題; a) 外国におけるホスピスと日本の今後進むべき道 b) 米国・カナダにおけるボランティアの活動状況報告 参加者;208名 (2) 日時 ;2月7日 場所 ;笹川記念会館4階会議室 テーマ;老人の諸問題とあなたにもできるボランティア活動 講師・演題; a) 老人のケアについて ディケアセンターを通してボランティアに期待するもの b) 老人に対するボランティア活動の体験から 参加者;60名 2. ボランティアの教育 イ) ヘルスボランティア養成講座を下記の通り2回実施した。 開催状況 ;各コースとも週1日、10回実施 期間及び内容; 第1期 4月18日〜7月18日 基礎編、参加人員 延294名 第2期 9月19日〜11月26日 技術編、参加人員 延147名 ロ) 受講終了者を対象に下記の通り施設見学会、体験学習会を行い、職場理解を深めた。 ○ 見学先 聖路加国際病院 29名参加 ライフプランニングクリニック 19 〃 東京都養育院 27 〃 白十字老人ホーム 22 〃 ○ 体験学習先 白十字老人ホーム 4名参加 光明養護学校 8 〃 信愛寮老人ホーム 4 〃 ハ) 食事指導のダイエットボランティア養成講座を下記の通り2回実施した。 ジュニアクラス 4月3日〜7月 7日全18回 シイニアクラス 7月3日〜1月28日全22回 ニ) 運動指導のエクササイズボランティア養成講座(4月27日〜9月19日、毎週1回)を実施した。 3. ボランティア活動の実践・相談・指導 イ) ボランティア養成講座の卒業生の会(虹の会)を隔月開催し活動上の問題点解決・情報交換等を行った。 ロ) 個別相談を下記の通り行った。 ボランティアの活動場所について 1件 ボランティアの活動内容について 3件 ボランティアと患者の付添い者との人間関係について 1件 ボランティアと精神的問題をもった患者との人間関係について 1件 ボランティアの派遣依頼 2件 地域におけるボランティア活動について 2件 ハ) 今年度の講座終了者は下記の通り活動している。 ○ ヘルスボランティア養成講座卒業生 ライフプランニングクリニック 2名 東京女子医大 4名 聖路加国際病院 4名 福音会老人ホーム 7名 ○ ダイエットボランティア養生講座卒業生 当財団の食事教室・やせる会 5名 〇 エクササイズボランティア養生講座卒業生 当財団の運動教室 10名 4. 海外研修調査 当財団の山村恵美子(健康教育サービスセンター運営課長)を海外ボランティア活動研修調査のため下記の通り派遣した。 ○ 期間 5月27日〜6月4日 ○ 調査場所 北米・カナダの西部にある下記病院・養護施設 イ) ホスピスビクトリア(ビクトリア、カナダ) ロ) トムベーカーがんセンター、フットヒル病院、カルガリー大学(カルガリー、カナダ) ハ) プロビデンスヌデイカルセンター、ワシントン大学病院(シアトル、U.S.A) ニ) ホスピス オブタ コマ、タコマ総合病院、ある遺族の家 (タコマ、U.S.A.) ○ 研修内容 イ) 大学病院、がんセンター、ホスピス、訪問看護におけるケアシステムを学ぶ。 ロ) ホスピスチームにおけるボランティアの役割、仕事の内容を学ぶ。 ハ) ボランティアの養成、教育プログラムを学ぶ。 なおこの調査にはボランティア、医師、ナース等13名が自費同行した。 5. ボランティア活動状況調査 今年度迄のボランティア講座受講者141名に対し活動状況調査を行った。(回答88名) ○ 現在ボランティア活動をしている場所・人員 イ) 病院関係 45名 内訳 聖路加国際病院 7名 東京女子医大病院 5名 ライフプランニングクリニック及び 健康教育サービスセンター 26名 その他の病院 7名 ロ) 老人ホーム 3名 福音会老人ホーム他 ハ) 地域における活動 10名 老人、身体障害者、視覚障害者対象 ニ) 相談活動 4名 教育相談、障害者家族の相談、カウンセリング、いのちの電話 ホ) その他 5名 健康を守るための料理サークル、養護学校 合計 67名
■事業の成果
真の医療は単に医師又は看護婦による医療だけでなしに患者の訴えをよく聞き、患者を慰め、力づけてやる家人や友人の治療援助が必要であるが、現在の日本の医療システムでは医師・看護婦共に多忙のため患者のニードがみたされておらず、もっと患者の側にたった医療がなされるべきである。先進国ではこの問題を見事にボランティア活動で解決している現状であり、我が国にもこのシステムを導入して、医療のレベルを高めることが望ましい。本事業により医療看護のボランティア--を養成して、患者や家族のニードに応える運動を展開することにより、日本の医療に寄与するところ大なるものがある。
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