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■事業の内容

電磁波砕岩技術開発のため、前年度に製作した200kwクライストロンの破砕機により砕岩実験を行うための実験装置を製作した。
[1] 砕岩実験装置製作
 周波数915MHZ、出力200kw、2基合成による電磁波砕岩実験装置を製作した。
 装置の主なるものは次のとおり。
a. 接続導波管 1式:直線、曲線導波管及び2系列合成導波管並びに導波管用架台1式、型式WRJ-1、材質耐食アルミ材
b. ダミーロード 2組:型式、導波管水負荷、最大負荷200kw/組、周波数915±25MHZ内の1周波数、WRJ-1用冷却水水量300l/min以下 水圧3kg/cm2G以下
c. ダミーロード用分岐導波管 1式:
分岐導波管及び直線導波管1式(ダミーロード用)
d. 照射器 2組:耐食アルミ材製、マイクロ波出力強度差用大小各1ケ
e. シールドルーム 1式:直方箱型、2面扉式、金網式
巾2,300mm×深さ3,000mm×高さ2,500mm
f. 高圧受電装置 1式
[2] 電磁波発生装置の総合試験
 電磁波発生装置及び実験諸装置の組立による総合ハイパー試験を行い、各装置及び機器の性能確認を行った。
[3] 砕岩実験及び解析
 砕岩実験とは、高エネルギー照射技術に関する実験、同照射時の破砕機構に関する実験及び破砕効果に関する実験に区分し、岩質(4種)及び照射出力と時間並びに電力密度を変えて実験を行うものである。(本項目は完了期限を延長して実施される。)
■事業の成果

電磁波砕岩工法は、公害がなく、かつ岩盤強度に殆んど無関係に砕岩できる優れた工法であるが、なお小出力研究段階にある。本調査研究では、より大出力高エネルギーの電磁波破砕機を開発し、これを用いた砕岩実験を実施して、本工法の実用化を推進するための技術的諸問題を解明するものである。
 なお、電磁波砕岩工法が実用化されたあかつきには、港湾航路の整備や離島港湾開発が促進され、我が国経済の発展に寄与することが期待されるほか、本工法は海底トンネル、橋脚などの基礎工事あるいは陸上のトンネル掘削工事やコンクリート構造物破砕工事などの幅広い利用が考えられるものである。





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