■事業の内容
(1) 機器の省エネルギー、省力化技術の実態調査 [1] 調査先 当工業会会員中の中小形船用機器製造事業者 160社 [2] 調査対象 499G/T貨物船、999G/Tタンカー、299G/T漁船の搭載機器 [3] 調査方法 調査先に対する書面アンケート及び委員会での聴取 [4] 調査内容 (a) 中小形船に搭載される機器の現状における省エネルギー、省力化技術の機器名称、原理、作動方法 (b) 中小形船の現状における省エネルギー、省力化機器の効果の解析 (c) 中小形船の現状における省エネルギー、省力化機器の搭載実績、船内トータルエネルギー使用合理化 (2) 機器の使用条件の調査 [1] 調査先 499G/T貨物船(千葉)、999G/Tタンカー(横浜)、299G/T漁船(三崎) [2] 調査回数 [1]の調査先 各1回 計3回 [3] 調査方法 委員会委員及び職員による各船訪船の調査 [4] 内容 (a) 機器の稼動状況及び信頼性、耐久性 (b) 機器の整備、保守状況 (c) 機器の運航管理面に及ぼしている問題 (3) 機器のシステム化の検討 主機、プロペラ、発電装置、熱源船橋機器等の仕様を検討し、システム課題を選出した。 (4) モデル船型によるシステム化の概念設計 モデル船型(499G/T貨物船)につき、機関部、甲板部、船橋部の機器のシステム化の概念設計を行った。
■事業の成果
低成長下の経済環境において、燃料油価格の高騰など運航費の増加に伴い、海運界から省エネルギー、省力化された高経済船の建造が要求されているが、内航船を主体とした中小形船の分野では、技術的格差もあってなお搭載機器について省エネルギー、省力化の検討課題も多い。 そこで、本事業においては本年度[1]中小形船用搭載機器の省力化の既存技術調査、[2]中小形船の運航実態及び搭載機器の使用条件を調査し、機器のシステム化の仕様を検討の上、モデル船型についてC重油の専焼、吸収式冷凍機及び熱媒油ヒータ等の採用による省エネルギー並びに乗組員4名運航に伴う船橋及び機器の監視の省力化を計った概念設計を行ったことは、今後建造される中小形船の性能向上、信頼性等高度化の要望にこたえるところ大なるものがある。
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